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反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年6月29日(令和2年6月29日)
2020年4月でも経常収支が黒字な日本
財務省が8日発表した国際収支状況速報によると、4月の経常収支は2627億円の黒字となった。
引用元:経常収支、4月は2627億円の黒字 前年同月比84.2%減=財務省
輸出の減少が輸入の減少を上回ったことで貿易収支の赤字幅が拡大し、経常黒字は前年同月に比べて1兆3986億円(同84.2%減)縮小した。
黒字額の縮小幅は2009年3月以降で最大となった。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、緊急事態宣言が発令され、世界経済も激しい落ち込みを見せる中、我が国日本は2020年4月において、経常収支黒字を維持することができました。
簡単に言えば、お金の流れとして、入って来るお金と出ていくお金を比べた場合、入って来るお金の方が多かったということです。
上記画像をご参照いただければ幸いに存じますが、我が国日本は貿易黒字よりも遥かに多い所得収支黒字を計上しておりまして、イメージとしては、株式投資の結果、多額の配当をいただいているようなものです。
これがあるから、我が国日本は為替レートが下落するどころか、有事の円買いと言われ、一時期1USドル=102円を突破するレベルの円高になりました。
※参考記事:ドル円チャート
貿易収支は9665億円の赤字で、赤字幅は同8465億円拡大した。輸出が4兆9090億円で、前年同月比1兆4666億円減少し、2009年10月以来の大幅減少となった。
引用元:経常収支、4月は2627億円の黒字 前年同月比84.2%減=財務省
財務省は、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大し、主に米国の工場が停止したことで、輸出入ともに大きく落ち込んだとみている。
貿易収支は約1兆円の赤字であり、世界経済の低迷の煽りが直撃してしまったようです。
2020年6月末において、新興国や欧米諸国の感染拡大が継続している現状を考えると、今後とも貿易赤字は継続することになり、輸出産業は打撃を受けてしまうでしょう。
経常収支とは何か
さて、復習になりますが、経常収支とは何かということを簡潔に説明します。
貿易・サービス収支、第一次所得収支、第二次所得収支の合計。
https://www.mof.go.jp/international_policy/reference/balance_of_payments/term.htm
金融収支に計上される取引以外の、居住者・非居住者間で債権・債務の移動を伴う全ての取引の収支状況を示す。
つまり、とある国家からお金が外に出たのか、国内に入ってきているのかというお金の流れを統計的に表したものと解釈するのが妥当です。
ただ、これだけではわかりませんよね(笑)
財務省のHPから一部引用させていただきましたが、日本国民に理解させないように意図的に難しくしているのではないかと思ってしまうような難解さです。
これから、できるだけ簡潔に説明しますので、お付き合いいただければと存じます。
貿易・サービス収支とは何か
貿易・サービス収支とは何かについて説明します。
これは貿易収支とサービス収支のことをまとめて表しているだけです。
したがって、貿易収支とサービス収支を別々に説明します。
貿易収支とは、物品の輸出と輸入の金額の差分です。
拙ブログにて紹介する予定の財務省貿易統計で公式発表されるものです。
輸出が輸入よりも多い場合は貿易収支黒字であり、輸入が輸出より多い場合は貿易収支赤字ということになります。
例えば、我が国日本がアメリカ合衆国に自動車を輸出すれば、貿易収支が黒字になります。
我が国日本が中国から野菜を輸入すれば、貿易収支が赤字になります。
サービス収支とは日本人(居住者)と外国人(非居住者)の間で物品取引以外のサービス取引の収支のことです。
例えば、外国人が京都に旅行して、老舗旅館で宿泊したら、宿泊費が発生しますので、サービス収支が黒字になります。
外国人が日本のアニメ関係の物品販売をする場合に、著作権料などが発生すればサービス収支が黒字になります。
外国人が日本の株式を購入する場合に手数料が発生すれば、サービス収支が黒字になります。
外国人が日本の知人にプレゼントしようとして、宅配便などを利用したら、サービス収支が黒字になります。
第一次所得収支とは何か
第一次所得収支とは対外金融債権・債務から生じる利子・配当金等の収支状況を示します。
いわゆる『所得収支』のことです。
例えば、日本人がアメリカ株を保有していて、配当などを受け取る場合は資本収支として黒字になります。
いわゆるインカム・ゲインを受け取ることにより、お金が国内に還流した場合は黒字となります。
逆に、外国人が日本に投資して、配当を外国で受け取った場合は赤字と認識していただいて、問題ないと思います。
投資家が海外投資して、その利益を国内で受け取った場合のことなので、あまり実感が湧かない方が多いのではないかと推察します。
第二次所得収支とは何か
第二次所得収支とは居住者と非居住者との間の対価を伴わない資産の提供に係る収支状況を示します。
いわゆる『経常移転収支』のことです。
例えば、日本政府がアフリカへ資金援助する場合は、経常移転収支が赤字になります。
つまり、サービスや物品の対価ではないお金の移動のことになります。
ここまで、駆け足で説明してきましたが、最初は大雑把でも問題ございませんので、大体のイメージを掴むところから始めた方がよろしいと思います。
おそらく、上記をお読みいただければ、イメージはできるのではないかと。
財政出動による自国通貨安を怖れるな
財政出動することによって、インフレになるという懸念が表明されることがございますが、それは需要と供給のバランスが崩れるということだけでなく、為替レートが急落して、輸入物価が上昇してしまうという懸念も含まれます。
ただ、危機的状況になれば、有事の円高という現象が今回のコロナショックでも発生し、少なくとも自国通貨の対ドル為替レートが急落するということはないと思われるので、杞憂に過ぎないと言えます。
したがって、財政出動を積極果敢に行い、民間企業の供給能力を増やすような政策を実行して、インフレになりにくい経済体質に向かうべきです。
そうすれば、財政出動をすればするほどインフレになりにくいので、日本政府や地方自治体がどんどんお金を使える経済環境になり、日本国民への直接給付がやりやすくなります。
以上です。