大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2022年11月8日(令和4年11月8日)
2022年第二弾の為替介入の規模が判明
財務省が31日に発表した9月29~10月27日の為替介入実績は6兆3499億円で、単月の円買い・ドル売り介入として過去最大を更新した。
引用元:円買い介入6.3兆円、21日含む1カ月分 過去最大を更新
変動為替相場制を採用する我が国日本としては、円相場を注視しておりましたが、円安是正のための為替介入を実施しました。
2022年10月21日のニューヨーク時間において、1USドル=152円に迫る勢いでした。
過度な変動は望ましくないという財務省の判断があり、為替介入を実施し、最大7円程度の円高ドル安となりました。
先日の記事にて、さらなる為替介入があるかもしれないと申し上げました。
私の予想通り、やはり円安是正為替介入がありましたね。
財務省が2022年10月31日に発表した為替介入実績は6兆3,499億円でした。
※財務省「外国為替平衡操作の実施状況(令和4年9月29日~令和4年10月27日)」より
FXで日本円売りのUSドル買いのポジションを取っていた個人投資家でロスカット(強制損切り)になった方も多いのではないでしょうか。
または、含み益が一瞬で消し飛んだ方も多いのではないでしょうか。
レバレッジを高めたFXはリスクがあまりにも高いと言わざるを得ません。
私個人としてははFXに手を出しておりません。
現物の投資信託やETF(上場投資信託)を購入しているだけなので、特に問題ありませんでした。
証券を売却して外貨を手に入れた模様
令和4年10月末における我が国の外貨準備高は、1,194,568百万ドルとなり、令和4年9月末と比べ、43,488百万ドル減少した。
引用元:外貨準備等の状況(令和4年10月末現在)より
本日は、2022年10月21日ニューヨーク時間に実施された第二弾の為替介入を分析してみたいと思います。
財務省の発表によると、外貨準備高は10月末時点で先月比約434億USドル程度減少しております。
外貨準備高の内訳を分析すると、約439億USドルの証券(主にアメリカ国債)が消えております。
また、外貨預金が先月比で若干増えておりますので、証券売却益がすべて為替介入の原資になったわけではないようです。
日本銀行は証券(主にアメリカ国債)売りで外貨(USドル)を獲得した後に、外貨(USドル)売りの日本円買いを実施した模様です。
私は先日の記事にて「米国債を売却してUSドルを調達するのはやりにくいから、外貨預金を売り、日本円を買ったのではないか」と申し上げました。
なぜそのように予想したのかと申しますと、アメリカの国債を売却すると、国債価格は下落し国債利回りが高まり経済に悪影響が出るからです。
アメリカ国債売却とは、FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)が実施している量的引き締めに対して、さらなる量的引き締めを被せるようなものです。
国債利回りが高まりますと、株価に悪影響が出ますし、間接的に銀行の貸出にも悪影響が出ます。
アメリカは日本よりも格段に株価に敏感ですから、アメリカの政策担当者に嫌われる可能性がございました。
円安で苦しむ企業や個人を救うべく、アメリカの政策担当者に嫌われる可能性がありながらも為替介入を実施したようです。
率直に財務省及び鈴木俊一財務相を評価するべきです。
為替介入金額と外貨準備高減少額が一致しない
さて、勘のいい読者様ならお気づきのことかと存じます。
第二弾は別として、2022年第一弾の為替介入金額と外貨準備高減少額が一致しません。
2022年9月22日に実施された為替介入において、日本銀行は2兆8,382億円の日本円を購入しました。
※参照:外国為替平衡操作の実施状況(令和4年8月30日~令和4年9月28日)より
財務省の公式発表によると、2022年9月末の外貨準備高は約540億USドルの減少でした。
※参照:外貨準備等の状況(令和4年9月末現在)より
1USドル=146円でトレードしたと仮定しますと、146×約540億USドル=約7兆8000億円となります。
どう考えても、金額が一致しないのです。
約5兆円の差額があります。
為替介入以外の要因でも外貨準備高が減少したので、減少額が大きく膨らんだようです。
しかしながら、為替介入以外の外貨準備高減少要因が不明なのです。
外貨準備高が増加した、もしくは外貨準備高の減少額が縮小したというなら、資産運用益があったからと予想できます。
例えば、証券を保有することで得られる利子収入があった場合などに該当します。
外貨準備高が減少するということは、証券の評価損が発生したということなのでしょうか。
令和4年1月以降の外貨準備高の推移を確認してみたところ、減少傾向のようです。
FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)の政策金利の引き上げの影響で、債券の利回りが高まりました。
それは、債券価格の下落を意味しますから、評価損ということなのかもしれません。
今後の為替介入研究の一環として、調査する必要がありそうです。
為替操作国と認定されないように留意しつつ円安を是正せよ
さて、為替介入の是非に関して話を戻したいと思います。
私個人としては、過度な円安を是正するということは輸入物価を抑制するという意味でも必要なことだと思います。
したがって、円安是正のための為替介入には賛成なのですが、為替操作国と認定されないようにしてほしいです。
現状としては、戦力の逐次投入と言われたとしても、為替レートが過度に円安方向に行き過ぎているから特別に介入したという体を保つべきかと。
今回の円安是正為替介入でロスカットされた個人投資家としては迷惑かもしれませんが、国民生活の方が大事なのでご容赦いただきたいです。
日本が保有する外貨準備高においては、証券(主にアメリカ国債)に偏っているので、外貨運用を見直してほしいですね。
リスクヘッジの観点からも、金(Gold)やUSドル以外の外貨預金(イギリスポンド、ユーロ、スイスフランなど)比率を高めて欲しいです。
アメリカ国債を売却してUSドルを手に入れたら、その一部を別の外貨に換えるか金(Gold)を購入することができます。
その結果、アメリカ国債保有額を減少させ、アメリカ依存から脱却してほしいです。
以上です。