
大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2025年1月25日(令和7年1月25日)
本日は、米価が高止まりしている件、解説できればと思います。
いつお米を買うのが適切な消費行動なのかも提示します。
新米が出荷されれば供給増で価格が下落するはずが
9月以降、スーパー店頭に新米が出回っても、価格は高止まりしている。
総務省が発表した10月の東京都区部の消費者物価指数で、コメ類は前年同月比で62.3%の上昇となり、比較可能な1971年以降で過去最大の上がり幅だった。
昨年の夏以降、スーパーからお米が消えるなど、令和の米騒動が継続しております。
店頭にはお米が戻ってきたので、供給不足は解消しております。
しかしながら、今度は米価が高いため、購入しにくくなっているようです。
東北だとそこまで米価がここまで上昇しているって話は聞いておりませんので、記事にするのが遅れました。
さすがに、東京都というお米消費の中心地において米価が前年同月比で6割以上も上昇しているのは見過ごせません。
なぜここまで米価が高騰しているのでしょうか。
米価高騰の直接原因は「概算金」
今年の新米価格が高騰している最大の理由は、JAなどの集荷業者が農家に支払う金額が異例の高値になっていることにある。
JAグループでは毎年夏頃、米を集めた際に農家へ支払う金額を都道府県ごとに決める。
この支払い金は「概算金」と呼ばれ、店頭での米価格を占う重要な指標になる。
全国的に米不足が注目を集めていた今夏、JAグループで決定された概算金は、軒並み前年と比べて大幅に上がった。
(中略)
JAが農家に支払う金額が増えれば、当然ながらJAから卸売業者などに売り渡される金額も上がり、その影響は最終的に店頭での米価格に跳ね返ってくる。
つまり、今夏の時点で新米が高値になることはある程度予測されていたのだ。
米価高騰の原因はJAなどの集荷業者が農家に支払う金額が高くなってしまったからだそうです。
この農家に支払うお金のことを「概算金」を呼ぶらしく、その「概算金」が高くなりました。
その結果、集荷業者からお米を購入する卸売り業者の買い付け価格を押し上げ、最終的には店頭価格に反映されました。
この米価高騰の原因は集荷業者にあるようですね。
物価上昇を分析し、対策を策定する場合には、その物価上昇の原因がどこにあるのかを慎重に見極める必要があります。
市場原理が働いているから米価高騰という結果に
空前の米不足下での高値相場を見込んだJA以外の集荷業者などが、JAの概算金よりもはるかに高い金額を農家に提示し、米を買い集めるようになったのだ。
こうなると、農協としても農家への支払いを増やさなければ、米が他の業者へ渡ってしまう。
お米の供給不足で、米価高騰を予測したJA以外の集荷業者がJAの「概算金」よりも高い値段で農家からお米を買い付けたそうです。
事前に米価高騰を予測して、その通りになるのであれば、高めの「概算金」を提示してお米を確保しなければなりません。
なぜならば、お米の価格が最大に跳ね上がったところで販売するのが利益最大化を目標とした場合の合理的行動だからです。
その結果、JAも座して何もしないわけにもいかず、JAの「概算金」そのものを引き上げ、他の集荷業者に対抗する必要があります。
結局のところ、お米という食料品目において市場原理が機能しており、買い付け競争が発生しているとのこと。
オークションで参加者が多く、需要も多いのであれば、価格は吊り上がります。
それと同じ状況が日本全国のお米という食料品目で発生しています。
問題は、それが人の命と健康を維持するために必要な炭水化物であり、日本人の主食であるという点です。
消費者にとってはとても辛く、相対的貧困が深刻化してしまい、ジニ係数が高まるのも当然ですね。
さらにこの問題を詳細に分析しますと、生産者側にも深刻な事情があるようです。
お米の生産費用が高くなり過ぎている
農水省が公表した調査結果によると、2023年に収穫された米の生産費(個別経営体)は60kgあたり1万5948円で、過去10年で最高となった。
2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻以降、肥料価格が高止まりしていることなどが大きな要因だ。
お米を生産するということは当然ながら、田植えのための機械、稲刈りのための機械などが必要です。
また、農作物ですから、肥料を農地に投下せざるを得ず、ウクライナロシア戦争(宇露戦争)で肥料価格は高騰しております。
これが原因でお米の生産費用が上昇してしまい、農家側としてもできるだけ高値で購入してくれる集荷業者などに売らざるを得ません。
生産量を増やすというのは容易ではない
2020年の主食用米は722万トンで、23年は661万トンと1割近く減った。
農家が減る中、インバウンドなど急な需要増に、すぐに対応できる力は現場に残っていない。
国は農業の法人化や大規模化で効率化を求めるが、今野さんは「日本の農地の4割は中山間地などの条件不利地。簡単に効率化できない」と話す。
お米には大きくわけて、主食用と飼料用に分かれており、主食用はこの数年で1割以上も生産量が減ったとのこと。
これに加えてインバウンド需要の高まりもあり、農家数も減少しています。
秋田県で農業を営んでいる今野さんという方のお話が上記引用元で紹介されております。
日本政府は農業の法人化や大規模化で効率化を求めています。
しかしながら、今野さん曰く、日本の農地の4割は中山間地で、簡単に効率化できないとのこと。
言い換えるならば、全農地の約4割はお米の生産に適している平野ではありません。
したがって、お米の生産を効率化するための基礎条件が整っていないということです。
なかなか説得力がありますね。
私の地元でも平野では大規模にお米を生産しておりますが、山林近くでお米を生産している地域を見たことがありません。
生産者からしたら、米価高騰は正常化への第一歩
農家にとって、現在の生産コストは1俵あたり1万6千円とされ、コメ農家の約6割は赤字との農林水産省のデータもある。
今回の令和の米騒動なのですが、米農家からしたら、米生産の正常化への第一歩になるかもしれません。
上記引用元記事でも紹介しておりましたが、米農家の大部分は赤字とのこと。
もちろん、専業農家だけの話ではないでしょうから、貧困に喘いでいるとは断言できません。
しかしながら、ある意味農家にとっての損切り対象になっており、高齢化もあり、米生産を諦める農家が増える可能性が高いです。
米価高騰で、採算が取れると判断した農家が作付け面積を増やすなどの対応があれば、米価は多少下落するのではと予想します。
日本の農水省も対策に乗り出すようです。
備蓄米の放出は短期的な対策としては有効
江藤拓農相は24日の閣議後記者会見で、政府が備蓄するコメを放出し、全国農業協同組合連合会(JA全農)などの集荷業者を対象に販売できるように運用を見直す方針を表明した。
国が買い戻す条件を付ける。
足元ではコメの品不足で米価が高騰しており、消費者などから備蓄放出を求める声が出ていた。
(中略)
備蓄米は政府があらかじめ生産者などから買い付ける仕組みで、一定期間保管し主食用に適さなくなった段階で飼料用などとして売却している。
現状では不作時など緊急時にしか放出できない。
政府は流通が滞るなどの場合にも柔軟に放出できるよう指針を見直す。
詳細に関しては、引用元記事を参照していただきたいのですが、備蓄米または政府備蓄米について簡単に説明させてください。
平成になってから、冷害などでお米が不作になったことがあり、事態を重く受け止めた政府がお米を備蓄する制度を導入しました。
100万トンを目安に備蓄を行っており、5年間保管してその後は飼料用に売却するとのこと。
しかしながら、不作時などの緊急事態にしか放出できない硬直化した制度となっているようです。
今回の米価高騰の直接的原因は集荷業者の買い付け競争です。
したがって、その競争を緩和させるために、お米の流通量を一時的にでも増やそうとしているようです。
おそらくなのですが、集荷業者の中には、この報道を見た瞬間、お米の売却量を増やそうする業者も多いでしょう。
米価が下がる材料が増えてしまったわけですから、早めに売り抜けようとするのではないかと。
現時点では正式決定というわけではありませんが、どんなに遅くとも春頃には決定されると予想します。
なぜならば、新米が供給される直前の夏頃にもう一段階米価が高騰するならば、政権与党は選挙で敗北するからです。
主食が高騰するのは貧困を深刻化させるから補助金投入が妥当
我々日本国民の主食はお米ですから、それが高騰するというのは生活苦に直結します。
したがって、生産者の生産費用が高くなっているならば、その費用は日本政府が負担するべきです。
また、集荷業者や卸売り業者が不当にお米を備蓄していて、米価を吊り上げているならば、行政処分の対象とするべきでしょう。
政府備蓄米という制度がありますので、これを有効活用して、お米の流通量を日本政府自ら増やすことも短期的には有効です。
変動相場制を採用し、自国通貨発行権を保有する中央政府に財政的予算制約は存在しません。
つまり、日本政府はお金が足りなくなるという事態にはなりません。
したがって、補助金を投下して、生活苦を緩和するための政策を早急に実行するべきです。
拙ブログの読者の皆様でしたら、ご理解いただけると信じております。
日本国民はいつお米を購入するべきなのか
さて、政策的にどうするべきなのかという点は上記で説明しましたが、日本国民として何ができるのでしょうか。
率直に申し上げて、いつお米を購入するのが合理的なのでしょうか。
結論から言えば、農水省が備蓄米を放出し、統計的に米価が下がり始めたことが確認できた段階で、生産者から直接購入するのが一番合理的です。
そもそも米農家を支えるためには、米農家からの直接購入が一番です。
なぜならば、中抜きが無いからです。
それが難しいとなれば、農水省の備蓄米放出を見たスーパーの店長が安売りするのを待つしかありません。
私個人としては、お米を大量に備蓄してしなかったことを後悔しています。
したがって、米価が下落したら、お米を買うでしょう。
株価も米価も下落したら購入一択。
以上です。