
大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2025年3月23日(令和7年3月23日)
花粉症の症状がピークでして、なおかつ風邪を引いてしまいました。
本日の記事は備蓄米放出の件ですが、温かい目で見ていただければ幸いです。
消えたコメはほとんど幻想だった可能性
首都圏の集荷業者が明かす。
「備蓄米入札が始まっても、目に見えるスポット取引での売りはまったく増えていないし価格も高止まりです。
3月は決算月なんで、今期の売り上げにしようと売りが増えるものなんですが、国が放出するというのに(スタックしているという)米が出てこない」
いったいなぜか。
米取引に関わる関係者には「江藤大臣のいう流通のスタック(滞留)、あるいは『消えた米』などほとんどなく、米は実際に足りないのではないか」(JA熊本経済連担当者)との見方が有力だ。
JA福井県担当者も「大量に隠してあるといった話は、県内では聞いたこともない」と首をかしげる。
昨年から比べて、米価格があまりにも高いため、農水省は政府備蓄米を放出することを決定しました。
私個人としては、流通段階で市場に出回らないお米が備蓄米放出で出てくるので、少なくとも米価格は抑制されると考えていました。
しかしながら、米価格は下がる気配すら見せておりません。
※参考記事:スーパーのコメ平均価格 5キロ当たり4077円 去年同期比約2倍に
なぜならば、消えたコメもしくは流通段階で市場に出回らないお米というのが存在してしなかったからです。
3月下旬から備蓄米が店頭に並ぶというのに、3月23日現在で米価格が下がっていないということがなによりの証拠と考えます。
お米の生産量が想定よりも下回ったかも
24年産米の検査数量が前年産より減ったことについて農水省は、「縁故米、生産者が保有する米が増えているのではないか。
あるいは消費者などへの直接販売が増えているのではないか、といったことが(検査現場から)指摘されている」(3月12日、衆議院農水委員会での石川香織議員〈立憲民主党〉への松尾浩則農産局長答弁)と説明する。
米価回復を受け、縁故米や直販が増えたのは確かだ。
だがそれでも、検査数量をもとにすれば、むしろ生産量はそれほど増えていないとみるのが自然ではないか。
結論から言えば、需要と供給のバランスが崩れてしまったために、米価格が上昇してしまったという説が有力視されています。
まず、供給(生産)という面に着目すると、そもそもお米が流通する前に検査するのですが、その検査数量が減少したようなのです。
農水省側としては、生産者が備蓄しているお米や直接消費者に販売しているお米が多くなったから検査数量が減少したという説明をしています。
それも間違ってはいないでしょうが、それでも生産量が想定よりも増えていないとみるのが妥当と考えます。
需要は減少せず、むしろ増加していた
需要について農水省は、近年、人口減等で需要が年10万ずつ減っていくトレンドにあることに加え、価格高騰の影響も見込んで31万トン減と予想した。
だが、米穀機構の精米消費量調査によると、24年7月以降、消費者1人当たりの米消費量(家庭での消費と中・外食での消費の合計)は堅調に推移し、上下はしているものの前年同月比は一貫してプラスだ。
25年1月も4714グラムで、前年同月比+3.9%だった。
農水省は人口減少トレンドなどが原因で、お米の消費量が年間31万トン減少と予想したのですが、
精米消費量調査によると、24年7月以降、前年同月比は一貫して増加していたとのこと。
率直に申し上げて、お米の消費量が思ったよりも減らなかったというのは理解できます。
なぜならば、インバウンド需要の高まりがあり、外食産業でのお米の消費が増えたからです。
しかしながら、むしろ消費量が堅調に推移して、増加していた月もあったとのこと。
完全にお米の需要予測を誤ったということになります。
さすがに、農水省の政治的責任は免れません。
2023年の不作が2024年産のお米の先食いを後押しか
例年なら7~8月は古米(24年秋であれば23年産米)もスーパーに並び飲食店でも出されるが、24年秋は棚が空っぽになっていたため7月から新米が並び、売れていった。
大手スーパー関係者も「例年は新米をためておいて一斉に配荷するが、24年は足りなかったからどんどん出した。
かなり先食いしたと思う」と明かす。
2023年のお米というのは、猛暑の影響で不作であり、生産量が減ったらしいのです。
※参考記事:コメ高騰、11年ぶりの水準 昨年の猛暑影響
その影響で、需給が逼迫してしまい、2024年の新米も先出しをしたとのこと。
それが、昨今の米価格の高騰につながったということなのです。
本当に、農水省の政府備蓄米の放出で、米価格は下がるのでしょうか。
米価が下がるのは期待薄か
米穀機構が3月7日に公表した「米取引関係者の判断(令和7年2月)」は、主食用米の米価水準の見通し判断DI(向こう3ヵ月)が23下がって注目を集めた。
回答者の28%が「国の政策」を考慮したと回答しており、政府備蓄米の放出効果とみられる。
需給動向の見通し判断DI(向こう3ヵ月)も10下がったが依然として「72」で、この数字は前年同月と変わらない。
政府備蓄米放出を織り込んでも24年2月と同水準ということは、「価格は上げ止まり少し下がるかもしれないが、需給は引き締まっており、向こう3ヵ月も不足感は解消されない」というのが関係者の大方の見方だと思われる。
需要動向の見通し判断DI(向こう3ヵ月)が以前として高止まりしており、期待通りに米価格が下がるとは思えないとのこと。
米価格の上昇を抑制する機能は十分果たしているとは思いますが、農水省はさらなる思い切った対策を講じるべきでしょう。
私個人としては、さらなる備蓄米の放出を実施するべきと考えます。
需要が高止まりしており、米価格が前年同月比約2倍まで高騰しているのならば、判断を迷っている時間はありません。
さらなる備蓄米放出が行われる予定
農林水産省は19日、政府備蓄米の放出に向けた2回目の入札を26日から28日にかけて実施すると発表した。
備蓄米は21万トンの放出が決まっており、今回はこのうち、初回で落札された約14万トン分を除く約7万トン分が対象となる。
農水省は2回目となる政府備蓄米の放出に向けた2回目の入札を行う予定です。
問題はその入札の数量が約7万トンという小規模なので、是非とも30万トンは追加で放出してほしいですね。
需要が供給を作り出す
農林水産省は19日、今秋に収穫される2025年産の主食用米の作付面積が、24年産より2・3万ヘクタール(2%)多い128・2万ヘクタールになるとの見通しを発表した。
実現すれば、25年産は24年産よりも12万トン程度の増産となり、逼迫(ひっぱく)しているコメの需給が一定程度緩和されそうだ。
2025年の主食用米の作付け面積が増え、増産見通しになったようです。
もちろん、猛暑や冷害などの影響で不作になる可能性はありますが、価格が高止まりを見越した生産増という判断になったようです。
ジョン・メイナード・ケインズの一般理論で示された、需要が供給を作るという原理が発動した模様です。
この増産体制と、肥料への補助金や所得保障なども実現して、お米を作る農家さんが英雄(ヒーロー)になる日が実現するのが理想ですね。
これで減税に反対する方々はちょっと社会情勢が見えていないというか、増産されたお米を買う人が減ったらどうするのでしょうか。
生産者のためにも、今後のインバウンド需要を満たすためにも、お米は増産されるべきです。
以上です。