大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2021年8月7日(令和3年8月7日)
消費税の一部は地方税である
地方消費税は、消費一般に広く公平に負担を求める道府県税です。
引用元:総務省HP『地方消費税』より
活力ある豊かな福祉社会の実現を目指す視点に立って行われた平成6年の税制改革の一環として、地方分権の推進、地域福祉の充実等のため、地方税源の充実を図る観点から、消費譲与税に代えて新たに地方消費税が創設され、平成9年4月に導入されました。
本日の記事は uematu tubasa著『消費税廃止への進撃』 の改訂作業の中で、調査しなければならない件について、備忘録に残す記事になります。
日本経済のデフレ脱却のため、低所得者の負担軽減のため、事業者の経理負担軽減のため、消費税を廃止するべきだと考えているのですが、デメリットが2つございます。
それはインフレ対策のための手段が無くなるという点、地方自治体の減収につながるという点です。
仮に、消費税を廃止して、公共投資などを増やすことで、個人消費があまりにも過熱してしまった場合、継続的な物価上昇(インフレ)が高止まりする可能性がございます。
その場合は、所得税の税率を全体的に引き上げるか、所得税の累進強度を高めることで対処可能です。
その一方で、消費税廃止に伴い、地方消費税も当然廃止されるわけですから、地方自治体の自主財源の1つが消滅することになり、地方財政の悪化を招く可能性がございます。
消費税10%の内、78分の22(消費税率換算2.2%)、軽減税率適用の場合は78分の22(消費税率換算1.76%)が地方消費税分となります。
通貨発行権を保有していない地方自治体としては、これらの財源が無くなってしまうのは痛手なのです。
地方消費税の廃止に対してどのように対処するべきなのでしょうか。
主に3つ対処法があると考えます。
対処法その1:減収補填債の新規発行
法人事業税等が基準財政収入額の算定において見込んだ収入見込額を下回ると見込まれる場合は、この減収を補填するために特別な地方債(減収補填債)を発行することができ、当該地方団体はその年度の収入が確保される。
引用元:総務省『基準財政収入額の精算制度と減収補填債制度』より
この地方債の元利償還金は、後年度の基準財政需要額に算入されることによって財源措置がなされる。
地方自治体は法人事業税などが景気悪化などで見込み徴収額よりも下回る場合に、減収補填債を発行することができます。
地方税の収入額が標準税収入額を下回る場合、その減収を補うために発行される地方債。
引用元:総務省『令和2年版 地方財政白書 用語の説明』より
地方財政法第5条に規定する建設地方債として発行されるものと、建設地方債を発行してもなお適正な財政運営を行うにつき必要とされる財源に不足を生ずると認められる場合に、地方財政法第5条の特例として発行される特例分がある。
減収補填債は発行額の75%が実質的に中央政府の負担となり、地方交付税で償還されることになります。
4分の3が国家財政によって肩代わりしてもらえる地方債なのです。
減収補填債は法人事業税など、景気によって税収の変動幅が大きい税目に限り、徴収額見込みよりも下回る場合に発行することができるのですが、新型コロナウイルスに伴う経済活動の停止によって、減収補填債発行条件を緩和してほしいという声が高まっておりました。
それを受けて、総務省は地方消費税や軽油引取税などの消費や流通に関わる7税目について、減収補填債の対象税目に加えることにしたそうです。
※参考:総務省HP『令和2年12月15日 武田総務大臣閣議後記者会見の概要』
これは地方消費税が廃止された場合でも応用できると思われます。
ただ、消費税廃止法案を衆参両院で可決成立させるのと同時に、地方財政法に地方消費税という項目が追加されているので、削除する必要がございますね。
さらに言えば、減収補填債を日本銀行が購入すれば、事実上の貨幣化(Monetization)になるので、中央政府と地方自治体の償還負担はなくなります。
対処法その2:地方交付税の増額
地方公共団体の自主性を損なわずに、地方財源の均衡化を図り、かつ地方行政の計画的な運営を保障するために、国税のうち、所得税、法人税、酒税及び消費税のそれぞれ一定割合及び地方法人税の全額を、国が地方公共団体に対して交付する税。
引用元: 総務省『令和2年版 地方財政白書 用語の説明』より
地方交付税には、普通交付税と災害等特別の事情に応じて交付する特別交付税がある。
普通交付税は、基準財政需要額が基準財政収入額を超える地方公共団体に対して、その差額(財源不足額)を基本として交付される。
地方消費税が廃止され、減収したら、国が地方自治体に対してお金を交付する、地方交付税というものがございますので、こちらを増額することで減収を賄うことになります。
対処法その3:地方債の新規発行
「地方債」とは「地方公共団体が1会計年度を超えて行う借入れ」をいいます。
引用元:総務省HP「地方債とは」より
地方消費税の廃止によって税収が足りない場合は、地方債を発行して賄う必要がございます。
まずは民間金融機関などに引き受けていただき、その後日本銀行の買いオペを実行してもらえば、財源問題は解決するでしょう。
消費税廃止への進撃を大規模改訂したい
本日の記事は私個人が自己出版させていただきました『消費税廃止への進撃』について、大規模改訂したいのですが、具体的にどのような問題意識を持ち、どのような方向で改訂するのかという点を備忘録的にまとめた記事になります。
本題に入る前に率直に申し上げたいことがございます。
Amazonで消費税廃止と検索すると、未だに私の『消費税廃止への進撃』がトップに表示されます。
消費税に関する意識が低すぎませんかね?
おそらく、消費税に特化した書籍で消費税廃止まで踏み込んだ書籍が無いからだと思われます。
電子書籍のタイトルに消費税廃止と銘打っているわけですし、検索ワードにも消費税廃止という単語を指定しているので当然と言えば当然ですね。
それはさておき。
本題ですが、『消費税廃止への進撃』をどのように改訂するべきなのでしょうか。
電子書籍の表紙を最新化するのは当然として、以下5つが主な改訂ポイントなのではないかと。
1、地方自治体の財源が枯渇する可能性がある
2、価格メカニズムが歪むという点を図を示しながら証明
3、現代貨幣理論の基礎を踏まえた記述に全面改訂
4、消費税の逆進性を再度明示的に説明する
5、消費税は社会保障特定財源として機能しているのか
以上です。