大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年11月26日(令和2年11月26日)
著者をご紹介
L・ランダル・レイ【著】
MMT現代貨幣理論入門 のAmazonページより
経済学者、ニューヨークのバード大学教授兼レヴィ経済研究所上級研究員。
セントルイスのワシントン大学在籍中はハイマン・P・ミンスキーに師事。
専門は、貨幣理論と金融政策、マクロ経済学、金融不安定性、雇用政策。
ポスト・ケインジアンの代表的研究者・論客の一人。
パシフィック大学で学士号、セントルイスのワシントン大学で修士号および博士号を取得。
ローマ大学、パリ大学、ベルガモ大学、ボローニャ大学、メキシコ国立自治大学の客員教授や、ミズーリ大学カンザスシティ校の教授等を歴任し、現在に至る。
著書に、Understanding Modern Money:The Key to Full Employment and Price Stability(現代貨幣を理解する─完全雇用と物価安定の鍵、1998年)、Money and Credit in Capitalist Economies(資本主義経済における貨幣と信用、1990年)、Why Minsky Matters(ミンスキーはなぜ重要なのか、2015年)がある。
まず、著者の本名がわかりません(笑)
Lって何?(調べてもわかりませんでした)
どうやら、ポスト・ケインジアン派の経済学者で、ハイマン・P・ミンスキーの弟子のようです。
ミンスキーの弟子で、ポスト・ケインジアン派となれば、ケインズの系統の経済学者で、その考えを進化させる方なのではないかと推察します。
今度、L・ランダル・レイも日本に招聘するプロジェクトが進行中らしいので、その際には必ず参加させていただきたいと思います。
総合評価:★★★★★
総合評価に関しては、間違いなく★★★★★ですよ。
現代貨幣理論をアメリカ人が、同じく西洋圏の人間に対して説明するとこのような書籍になりますよというのを体現していました。
貨幣の起源とは政府(もしくは発行元)の借用証書である。
貨幣がなぜ市場において流通しているかと言えば、税金や罰金を納めるために必要であるため、価値があるから。
誰かの金融資産は誰かの金融負債である。
誰かの支出は誰かの所得であり、誰かの赤字は誰かの黒字である。
めちゃくちゃ簡単に現代貨幣理論をまとめるなら以上になります。
それをできるだけ簡潔に説明しようとしています。
主流派経済学の間違いを正してくれることは間違いないと思います。
Kindleで購入すると半額分のポイントが付与される
11月26日現在、東洋経済新報社フェアというものが開催されており、2020年12月1日まで、東洋経済新報社から出版された書籍でKindle化されている書籍は、購入するとAmazonポイントが購入額の半額分貰えるようです。
これって事実上の半額セールのようなものです。
さらに言えば、こういった東洋経済新報社フェアなるものはいつ終わるのか予想ができません。
現代貨幣理論の基礎文献が半額で手に入れるチャンスです。
拙ブログの読者様には是非ともご購入いただきたいというのが、本音です。
L・ランダル・レイ著『MMT現代貨幣理論入門』左側よりご覧ください。
あえて苦言を呈するならば
私は現代貨幣理論を積極的に支持しており、さらに言えば、経済学関連の書籍に関して読み慣れております。
ただ、経済学に触れるのが初めての方が読むには、かなり難易度が高いと言えるでしょう。
特に、貨幣は負債であるという点についての説明に関しては、以下にご紹介する書籍を事前にお読みいただく必要があると思います。
あとは、マクロ経済学に関する書籍をしっかりと頭に入れて読まないと、そもそも何の話をしているのかすらわからないのではないかという箇所がございます。
おそらく本書は、経済学者、政策担当者、経済学部の学生向けであり、一般向けではないと言わざるを得ません。
Amazonレビューで星5つの評価をされている方がいらっしゃいますが、知識レベルが尋常ではない方々なのではないかと推察します。
為替相場制に関する言及が新鮮でした
MMT現代貨幣理論において、為替相場制に関する言及が新鮮だったということには言及しなければなりません。
MMT現代貨幣理論において、為替相場制は大きく分けて3種類ございます。
1、固定相場制
2、管理フロート制
3、変動相場制
1種類目の固定相場制について説明します。
とある通貨、もしくは貴金属と一定のレートで交換可能であるならば、固定相場制と言えます。
これは、ランダル・レイに言わせれば、政策余地が少ないとのこと。
例えば、とある国家がUSドルとの固定相場制を維持しようとすると、景気浮揚のために、政府支出を増やし、金融緩和を行うことが難しくなります。
なぜならば、政府支出を増やし、金融緩和を行うことになれば、継続的な物価上昇が発生し、自国通貨価値が目減りしてしまいます。
また、政府支出が増えることにより、自国民の購買力が強化されれば、外国からの輸入が増えることもあり得ます。
そうすると、輸入代金の支払いのため、自国通貨売りの外国通貨買いが発生して、通貨価値が目減りしてしまいます。
そのため、外貨準備高を減らしてでも、政府主導で、外国通貨売り(この場合はUSドル売り)の自国通貨買いをしなければなりません。
言い換えるならば、固定相場制を維持できるだけの外貨準備高を保有していない場合、政府支出を増やすことができませんし、金融緩和にも慎重にならざるを得ないのです。
2種類目の管理フロート制について説明します。
MMT現代貨幣理論においては、ゆるやかな固定相場制もしくは厳しく管理された為替相場制度などと表現されています。
為替操作国などと名指しされる中国で採用されている為替相場制度です。
中国は、自国にとって望ましい為替レートに人為的に誘導しているのです。
中国は、対USドルにおいて、大量に保有した外貨準備高を利用して、為替レートを人為的に誘導しています。
大量の外貨準備高(対米輸出を積極的に行った結果得られた外貨)を保有しているという前提条件があればなりたつのが為替相場制度です。
政策余地(財政政策の自由度、金融政策の自由度という意味だと思われる)は大きいと言えます。
※ただし、重ねて申し上げますが、大量の外貨準備高を保有していることが前提です。
3種類目の変動相場制について説明します。
当然のことながら、現時点において我が国日本が採用している為替相場制です。
これが一番政策余地が大きいと言えます。
政府支出を増やして、金融緩和しても、為替レートが変動するだけなので、政策的な足枷になりにくいと言えます。
上記のようなことが書いてありました。
とても新鮮でした。
以上です。