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反逆する武士

現代貨幣理論

貨幣負債論を歴史的な観点から論じてみた。貨幣の「新」世界史を読む

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大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2019年7月9日(令和元年7月9日)

貨幣の本質は金属ではないから無限に創れる

本日は貨幣の「新」世界史という文庫本をご紹介しつつ、繰り返しになるかもしれませんが、貨幣負債論を歴史的なところからご紹介したいと思います。

本書は、貨幣について生物学から脳科学などの他分野学問を応用してその謎と本質を解き明かそうとしています。
経済学という偏狭な学問の限界を知ることができる良書と言えるでしょう。

お金とは、今日様々な使用方法がございますが、債務を清算する(借金返済など)ための手段という機能は万国共通です。
例えば、ドル紙幣には次の文章が印刷されています。

本紙幣は、公的及び指摘なすべての債務に対する法定通貨である

ドル紙幣は、アメリカの連邦準備銀行によって発行され、同行のバランスシートの負債として記載されています。
日本銀行の場合と同等であることがわかります。

このことから、物々交換がお金の前身であると主張してきたエコノミストは完全に間違いだったと言えます。

物々交換が発展して、お金が発明され、それが流通していったという歴史的な事例はどこにもないのです。

※貨幣の「新」世界史では、様々な有識者の主張を矢継ぎ早に展開し、貨幣が物々交換から発生したという説を否定しています。

古代メソポタミアでは利息付の融資が存在していました。そしてその債務がお金として流通していました。

硬貨が流通している前に、債務での取引が先行していました。
債務こそお金の前身であり、お金の起源であると言えます。

利息付の融資は当然の如く返済を求められていました。
労役でその返済をする者もいれば、大麦で返済する場合もあった。

硬貨や紙幣で融資を返済することが当然の現代人からしたら、何やら面倒という感想が漏れ出ると思います。

債務者リストが作成され、元本の額面、立会人の名前、融資の始まった年、債務者の印がリストには記載されています。

融資契約がそれで成り立ち、債務が清算されると廃棄されます。
債務者は自己破産することはなく、家畜で債務を清算することもありました。

支払い不能になった場合には、債務者とその家族や奴隷を債権者が人質にとり、強制労働させるということが古代メソポタミア文明時代に存在していたそうです。

金属主義が表券主義か、ハードorソフト

お金には多くの形態が存在していますが、学説には金属主義が「ハード」表券主義が「ソフト」に該当します。

お金の価値は、その金属もしくは商品の市場価値に由来するというのが金属主義の考え方です。

その考えによると、固有の価値が市場にて認識されれば、金や銀だけでなく、大麦や穀物なども通貨として流通します。

我が国日本においても「米本位制」のような江戸時代が存在しておりました。
この考えの問題は、その貨幣としての商品を無制限に増やすことができない点です。

我々は錬金術師ではありません。

表券主義は金属や商品にお金の価値が由来するとは考えません。
硬貨や紙幣の価値は国家によって創造されます。

税金や罰金、様々な料金を法定通貨で請求されるため、その法定通貨の需要が生じます。

そもそも表券主義を根底とした紙幣など(金属の裏付けや商品価値の裏付けが存在しない貨幣)がなぜ創造されたのでしょうか。

まずは利便性の向上でしょう。
紙幣は硬貨よりも扱いやすいですし、持ち運びが便利です。

そして人間は抽象的なものを見て、それに価値があると理解できるから、貨幣とは表券になったと言えます。

鳩を見たら平和の象徴であり、紙幣を見たら価値の象徴だと理解できるのです。
国家権力の要請があったからというのも当然でしょう。

金属や商品は有限、しかし中央政府は何らかの事業(公共事業など)を行う必要があった場合、何らかの支払いをする必要がありました。

であるならば、中央政府の借用書を作成し、それを配るだけで労働力や資材を調達することができるような制度が都合が良かったのです。

また、現代の資本主義社会で、表券であれば、供給制約が存在しないので、中央銀行がお金を刷って、金融緩和を実施し、何らかの政策目的を達成することは日常茶飯事であり、貨幣の供給量の調整を日常的に実施しています。

貨幣の供給量や価値に国家が介入する習慣を酷評する専門家や政治家は多いと言えます。

それは貨幣観がハード、すなわち金属主義だからと言えます。
金属は有限なのだから、貨幣を供給すると貨幣価値が大暴落してしまうため、怖がってしまうのです。

中世唐王朝の借用証書が貨幣となる

唐王朝の事例でも貨幣とは表券主義の考え方が正しいと言えます。
貴重品を商店が預かり、預かり証を発行して、それが譲渡されておりました。

その当時の商人としては、行商するのに思い硬貨を持ち歩くよりかは預かり証を携帯する方が便利だったと言えます。
本日は以上です。

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