日本憲政史上最強の政策ブログを目指す!

反逆する武士

日本経済

なぜ完全雇用を重視するべきか。長期失業が招く労働の腐食とは何か。

更新日:

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2019年6月29日(令和元年6月29日)

本日の記事は、経済政策における目標として、なぜ完全雇用が掲げられているのかという点を考察します。

完全雇用とは何か

まず、本記事においては”完全雇用”について説明します。

完全雇用とは、とある経済全体で非自発的失業が存在しない状態と定義します。非自発的失業という少々難しい単語が出てきました。

失業には様々な種類がございますので、紹介させていただきます。
本記事とは別なお話ですので、3種類の失業を簡潔に説明します。
詳しくはマクロ経済学の書籍を紐解いてみて下さい。

1、自発的失業(労働市場に参入しているが、現行の賃金や待遇では働きたくなく、自らの意思で就業しない時に発生する失業)

ハローワークには登録しているが、就業条件が悪いことを理由として、就職していない場合に該当します。

2、摩擦的失業(地域間,産業間における労働力移動の不完全性,あるいは季節的理由などによる労働需給の一時的不均衡から生じる失業)

経済成長に伴う、農業から工業もしくはサービス業への転職が国民経済全体でみたら上手くいっていない場合に該当します。

3、非自発的失業(労働市場において現行の賃金や待遇で働く意思があるのに、供給過剰により働けない時に発生する失業)

バブル崩壊後の就職氷河期時代とリーマンショック以後の就職難がこれに該当します。

日本の労働市場において、現在の給料水準で働く気があるのに働けない日本国民が限りなく少ない状態が完全雇用だと言えます。

我が国日本が完全雇用状態なのか否かを示す指標がございます。
それが「完全失業率」です。

最近になって、3%を割り込みました。
上記グラフには掲載されておりませんが、2018年の平均の完全失業率は2.4%でした。

3%を割り込むどころか、2.5%を割り込みました。

ここで留意するべきは「完全失業率」という統計には現実を反映していないという批判があることです。

それは「完全失業」の定義に問題があります。

完全失業者の定義についての3条件が総務省統計局のHPに明示されています。
参照URL:http://www.stat.go.jp/data/roudou/qa-1.htm

(1)「仕事に就いていない」

(2)「仕事があればすぐつくことができる」

(3)「仕事を探す活動をしていた」

3条件を満たす人だけが、完全失業者として統計に反映されるのです。

あまりにも景気が悪くて求職活動をあきらめてしまった人、求職活動するための資金が無い人、就職できない絶望から自殺してしまった若者は完全失業者に含まれません。

したがって、完全雇用が達成されたと判断するにはやや厳しめの数値を設定する必要があると考えます。

私は完全失業率が2%以下だった場合、完全雇用が達成されたと判断すべきだと考えます。

なぜ完全雇用を目指すべきなのか

なぜ経済政策を立案する際に完全雇用を目指すべきなのでしょうか。
理由は大きく4つあると思います。

1、犯罪の抑止
2、自殺の抑止

3、所得減少の抑止
4、労働力の腐食を防ぐため

1に関して説明します。
日本国民が失業し、貯蓄も無くなり、何も失うことが無くなった場合に、犯罪に走る可能性が高まってしまいます。

ご飯をお金を支払って食べることができないのであれば、盗むしかないと考えるかもしれません。

背に腹は代えられないと思うことでしょう。
スーパーで万引きしてしまう人も、その背景には失業や貧困があります。
万引きは窃盗です。

取り締まるべき犯罪です。
完全雇用を目指し、失業や貧困を背景とした犯罪を抑止し、治安維持を図るべきなのです。

2に関して説明します。
労働とは、生きるための所得を稼ぐための手段ですが、それだけとは言えません。

労働とは生きがいであり、自己実現のための手段でもあります。
社会のために役に立っているという充実感を得るために働いているのです。
それを奪われるのが、失業です。

その精神的な打撃と失望感から、自殺をしてしまう人が増えてしまうのを防ぐため、完全雇用を目指すべきなのです。

私は、某国立大学に在学中から就職活動に励んでおりましたが、リーマンショックの後ということもあり、就職できませんでした。

某国立大学を卒業後、何とか非正規の派遣社員、有期契約の契約社員、期限を定めない正社員となり、今日に至っています。

就職できなかったことは、自尊心が傷つき、精神的に崩壊する一歩手前でした。
私だけならともかく、私以外の日本国民にはそのような苦しみを味わってほしくないと心の底から願っています。

3について説明します。
失業とは、労働によって得られる所得を奪われることに他なりません。

生きるために必要な糧を奪われてしまうと、消費が減り、投資が減り、お金の巡りが悪くなってしまいます。

保有している財産を売り、就職活動のために奔走しなければなりません。
民間企業の売り上げが落ち、景気が悪くなってしまいます。

4について説明します。

ポール・クルーグマン著『さっさと不況を終わらせろ』を参考文献として、説明させていただきますと、失業、もっと言えば長期失業は労働力を腐食させる効果があります。

長期失業は本当にスキルを低下させて、雇うのに不適格な存在にしてしまうのだろうか? 
長期失業の一人だと言う事実は、そもそもその人が負け犬だったという証なんだろうか? 
ちがうかもしれないが、多くの雇い主はそう考えがちで、当の労働者にとってはそれで話が決まってしまう。
この経済で職を失えば、別の職を見つけるのはとても難しい。
失業が長く続けば、雇用不適格と思われてしまう。

ポール・クルーグマン著『さっさと不況を終わらせろ』 pp24より

つまり、長期失業により、失業者は雇用不適格人材としての烙印を押されてしまいます。
再雇用が難しくなってしまうのです。

この指摘はとても納得できます。
なぜならば、長期失業が招く労働力の腐食によって私も苦労したからです。

私は何度か転職しておりますが(同世代の中では転職回数が多い方だと自負しております)転職の際の面接で必ず聞かれることがございます。

”就業期間と就業期間の間に空白の期間がありますが、それはなぜですか”
上記の質問の意図は明白です。

就業期間と就業期間の間があまりにも長く、正当な理由がない場合は、問題のある人材と判断されます。
要するに、採用するに値する人材なのか見極めたいのです。

私はそれほど長期間の失業を経験してはおりませんが、それでも失業期間があるというハンディキャップに随分と苦しめられました。

失業の苦しみを味わっているからこそ、採用されたら簡単には辞めることはないという発想にはならないようです。

また、長期失業は労働者の技能向上という点でも由々しき問題です。
労働者の技能が向上する機会を得られないということは、民間企業の生産性の向上を阻害してしまいます。

一つは長期失業のもたらす腐食効果だ。
長期にわたり失業している労働者が雇うに値しないと思われるようになったら、それは経済の実質的な労働力、ひいてはその生産能力が長期的に減少したということだ。
技能を活用しない職につくしかない大学新卒者の命運も、ある程度は似ている。
時間がたつと、少なくとも背印材的な雇用主の目から見れば、彼らは低技能労働者の地位に貶められてしまうかもしれない。
つまり、教育が無駄になってしまうということだ。

ポール・クルーグマン著『さっさと不況を終わらせろ』 pp30より

ポール・クルーグマンは現実の経済をよくご理解いただいている経済学者であるようです。

私の経験からも、納得にいく話でございます。
IT業界においても、最新の技術にマッチアップしている現場で長く働いているか、そうでないかでその技能水準が決まることが多く、生産性に圧倒的な差が生まれます。

結論:経済政策において、完全雇用を目標に掲げるべきだ!

以上です。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
★★★ブログTOP★★★
記事が参考になりましたら、ブログランキングで応援お願いします。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

-日本経済
-, , ,

Copyright© 反逆する武士 , 2019 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.