大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2024年5月12日(令和6年5月12日)
台湾有事の危険性が増す中、我が国日本の半導体生産能力が強化されることは確実です。
本日はその内容について、できるだけコンパクトに説明できればと思います。
物流能力が大規模強化される熊本県
熊本県で物流大手が半導体関連の大型拠点を新設する動きが相次いでいる。
引用元:半導体物流、熊本に相次ぎ大型拠点 GLPは41億円投資
日本GLP(東京・中央)は2025年末にも大津町に新拠点を開設する。
近隣の益城町では4月、NIPPON EXPRESSホールディングス(HD)傘下の日本通運も拠点を稼働させた。
台湾積体電路製造(TSMC)が菊陽町に第2工場の建設も決め、半導体関連の物流需要拡大に備える。
台湾の半導体製造企業であるTSMC(台湾積体電路製造、以下TSMC)が生産能力の世界的分散化を進めております。
アメリカのアリゾナ州と日本の熊本県に半導体製造工場を建設することで、台湾有事に備えているのです。
最先端半導体の製造を担うTSMCが日米両国に生産能力を確保するとなれば、生産地の多角化が実現します。
したがって、台湾有事でかりにミサイルを大量に打ち込まれたとしてもすべてが無に帰するということはありません。
我が国日本の熊本県においても、半導体関連の物流拠点を新設することになり、物流が強化されることになりました。
巨額の設備投資がさらなる設備投資を呼び、それが需要増となって経済が活性化していきます。
しかも、円安という追い風もございますから、半導体生産において日本と台湾が世界を席巻する可能性もあります。
日本のものづくりが衰退しただの、貿易赤字が継続するだの恐怖する輩もいます。
しかしながら、将来時点の生産能力の確保のために、経済産業省が動いてくれております。
国家総動員体制で、半導体という産業を育成していくわけですから、安心して大丈夫と言えましょう。
日本を中心として半導体後工程の完全自動化と標準化実現へ
半導体メーカーや半導体製造装置/自動搬送装置メーカーおよび標準化団体など15の企業・団体は2024年5月7日、「半導体後工程自動化・標準化技術研究組合(SATAS:Semiconductor Assembly Test Automation and Standardization Research Association)を、2024年4月16日付で設立したと発表した。
引用元:半導体後工程の自動化を推進、インテルやオムロンらが「SATAS」を設立
2028年の実用化を目指し、半導体後工程の完全自動化や標準化に取り組む。
SATASは、インテルやセミ・ジャパン、オムロン、シャープ、ダイフク、平田機工、村田機械など、半導体業界を代表する企業や団体が組合員となり、後工程の完全自動化に必要な技術やオープンな業界標準仕様の作成、装置の開発と実装、統合されたパイロットラインにおける装置の動作検証などに取り組む。
理事長にはインテルの社長を務める鈴木国正氏が就任した。
本部は東京都千代田区永田町の三菱総合研究所内に置く。
半導体には様々な企業が携わって生産されております。
我が国日本の場合、直接的な製造よりも素材や製造装置の分野で強みがあります。
この度、半導体後工程の完全自動化や標準化に取り組むという興味深いことを実現しようとする団体ができたようです。
しかも、その本部が日本の永田町に置くとのこと。
半導体の製造装置や検査に関する技術を人間の手に委ねるよりかは完全自動化を進め、規格化・標準化させることは極めて重要です。
なぜならば、我が国日本においては技術者の確保が今後困難になることはほぼ確実だからです。
こういったプラットフォームや規格の設定、自動化という動きは今後も見逃せない半導体ニュースとなるでしょう。
廃液処理能力も強化される見込みである
半導体製造の過程で発生する産業廃液のリサイクル拠点が2026年に九州で初めて北九州市戸畑区に設置されることになり、設置企業と市が26日、立地協定を締結した。
引用元:北九州に産業廃液のリサイクル拠点 半導体工場からの需要見込み
(中略)
工場は、溶剤リサイクル大手・三和油化工業(愛知)と化学薬品販売のエア・ウォーター・マテリアル(東京)が合弁会社「サンワマテリアルソリューションズ」を設立して稼働させる。
廃液を受け入れて新品に近い品質まで精製し、再生した製品を販売、再利用する。
三和油化工業によると、九州で排出された廃液の大半が燃焼処分されている。
リサイクルすれば総量の6~7割が再生製品として活用でき、残りも再生燃料やセメント原料になるという。
半導体を製造するということはその製造工程で発生する産業廃液をどうするのかという問題に激突します。
その産業廃液をリサイクルすることで、原料輸入を抑制し、再生した製品を利活用するという取り組みが行われる予定です。
こういった動きもかなり重要であると言えます。
環境負荷をできるだけ抑制するということは、今後の製造業に求められることであり、リサイクルは必須能力と言えます。
九州以外でも半導体製造が活性化する日本においては、良い先例となり、産業廃液のリサイクルというビジネスが成り立ちそうです。
SBI証券が半導体製造事業に新規参入へ
台湾の半導体製造受託企業(ファウンドリー)であるパワーチップと新会社を設立し、日本でファウンドリー事業を立ち上げるとSBIが公表したのは7月初めのことだった。
引用元:SBIの「半導体参入」で際立つ北尾氏の深謀遠慮
それから約4カ月。
10月31日に行われた会見で、全容が明らかになった。
宮城県大衡村にある工業団地に新工場を建設し、2027年の稼働を目指す。
必要となる資金は、この第1期投資だけでも約4200億円、2029年に完了する第2期投資まで見据えると総額では8000億円超となる。
(中略)
ただ、半導体は多額の設備投資が必要なだけでなく、市況の浮き沈みの激しい産業だ。
ビジネスとしての勝算はあるのだろうか。
受託製造に特化するファウンドリーは、委託する半導体メーカーがあって初めて成立するビジネス。
そこで新会社が狙うのは、日本での車載半導体市場の開拓だ。
詳細に関しては、上記引用元記事を見ていただければ幸いに存じます。
簡単にまとめると、SBI証券が新会社を設立して、車両搭載用の半導体製造事業に新規参入するとのこと。
車載用半導体は先端半導体ではなく、やや型落ちの半導体であり、先端技術よりもコストパフォーマンスが要求されるようです。
さらに、他の日本企業が製造に着手していない性能領域の半導体を製造することで、差別化を図り、ビジネスとして成り立つとの目算があります。
それを補助金を受けつつ、宮城県大衡村で工場を新設するとのこと。
ビジネスと国益の融合をしっかりと見据えているようで、驚きを隠せません。
半導体と言えば、最先端技術を集めた半導体をどのように製造するのかという点に目が行きがちです。
しかしながら、パソコンや車両用の半導体に最新の半導体が必要かと言えば、そうではありません。
過剰品質となってしまい、むしろビジネスとして成り立たない可能性が高くなります。
言い換えるならば、高品質だけどコストパフォーマンスが悪い半導体を製造してしまって、売れないという最悪の状況に陥るかもしれないのです。
それは、ビジネスとしては避けなければなりません。
したがって、ほどほどの品質の半導体をコストパフォーマンス良く製造するという方針に活路を見出したのかもしれません。
マーケティング主体のビジネスと言えますし、私個人としては注目しております。
以上です。