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反逆する武士

地政学

武装勢力が国家を揺るがす時代の到来。石油供給を脅かす地政学リスク

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ドローン
dronepc55さんによる写真ACからの写真

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2019年9月16日(令和元年9月16日)

サウジアラビアがドローン攻撃を受ける

中東イエメンの内戦でイランによる支援を受ける武装勢力フーシは17日、対立するサウジアラビアの油田施設をドローン10機をつかって攻撃したと発表した。
サウジ側は「ガス処理プラントで火災が発生したが、被害は限定的だった」と指摘した。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48688000X10C19A8FF8000/?n_cid=SPTMG002

「フーシ」という武装勢力がサウジアラビアの油田施設をドローンを利用して攻撃しました。

「フーシ」はイランが背後で支援している武装組織という話ですので、対立しているサウジアラビアの油田施設を攻撃した可能性がございます。

ドローンは小型であれば、個人で持ち運びができますので、至近距離まで近づいて破壊工作することが可能です。

攻撃に使用されたドローンの種類については、記事作成時点では明らかになっていませんが、中東では過去に「手榴弾をくくりつけた小型の民生用ドローン」によるテロ攻撃も起きているため、今回の攻撃が必ずしも大型のドローンによるものとは限りません。
なお、今回攻撃を受けたアブカイクは原種の1日あたり700万バレルの処理能力を誇る世界最大級の精製プラントであり、原油の輸出拠点としても世界最大とのこと。被害状況次第では、世界の原油価格が影響を受ける可能性もあります。
また、サウジアラムコはIPOに向けた準備中であるため、今回の攻撃が上場に影響を与えるのか否かも、注目されます。

https://viva-drone.com/drone-strikes-saudi-arabia-oil-facilities/

敵対勢力の勢力圏が離れているから、長距離ミサイルさえなければ攻撃されないという時代は終焉を迎えました。

我が国日本も輸入してい原油価格が一気に上昇したようです。
中東地域の地政学リスクが再燃しました。
※参考記事:原油が急騰、ブレントは一時19%高 NYは63ドル台

原油価格が上昇すれば、産油国が儲かりますから、自作自演という可能性もございますね。

原油供給へのリスクがどこまで深刻になるのかについては見方が分かれている。
14日には米エネルギー省の報道官が、需給逼迫を避けるため「必要ならば戦略石油備蓄(SPR)を放出する用意がある」と表明した。国際エネルギー機関(IEA)は「十分な量の商業在庫がある」と指摘した。
一方、15日の英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)はサウジ・エネルギー省に近い人物が「施設を強化し最大の能力まで高めるには数週間かかる」と述べたと報じた。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49852530V10C19A9MM8000/?n_cid=SPTMG053

原油供給へのリスクが高まっているため、アメリカが備蓄している石油を放出する用意があるとのことです。

アメリカの同盟国への配慮ということなのでしょう。
イランの原油を輸入しないように要請している手前、当然の措置と言えます。

サウジアラビアの油田施設を復旧させるためには、それなりに時間が掛かるようです。

サウジアラビア政府は14日、石油関連施設がドローンによる攻撃を受けた影響で、国営石油会社の原油生産の約半分が停止したことを明らかにした。

https://news.livedoor.com/article/detail/17087491/

原油生産の約半分が停止したというのは、厳しいです。
我が国日本は輸入している原油の内、約4割を輸入しています。

中東の地政学リスクが高まる

5月以降、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡近くでタンカーへの攻撃が相次ぎ、中東産原油をめぐってはシーレーン(海上輸送路)の安全が焦点となってきた。
しかし、リスクは、産油国の石油施設の防御の脆弱さや偶発的な国家間の衝突リスクなど多岐にわたる。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49852530V10C19A9MM8000/?n_cid=SPTMG053

中東の地政学リスクをこの記事にて整理したいと思います。

1、政変が発生し、原油を売ってくれなくなる
2、油田施設が破壊され、原油供給が途絶する
3、シーレーンが攻撃され、原油を運べなくなる

まず、中東とは民主主義が根付いていません。
政変が発生したり、米国や欧州からの経済制裁を受けることがございますので、そもそもその国家から原油を購入することができないリスクがございます。

さらに、今回のようにドローンなどによる油田施設を攻撃されるリスクがございますので、原油を産油国から出すことすらできないというリスクがございます。

また、原油をシーレーンで運ぶという段階で、海賊や武装勢力によって拿捕されてしまったら、原油を購入した国家に運ぶことができなくなります。

したがって、中東から原油を輸入する比率を下げる方向に舵を切る必要があります。

中東の政治情勢で我が国日本の経済活動が左右されてしまうというのは、安定的な経済運営のためには必須です。

一番得をしているのはロシアなのか

ロシアのノバク・エネルギー相は10日、産油国の過剰生産により原油価格が急落するリスクが依然あるとして、ロシアが来月に予定される主要産油国との会合で協調減産の延長を支持する可能性を示した。
石油輸出国機構(OPEC)の加盟国とロシアなど非加盟国で構成するOPECプラスは、1月から価格下支えのために新たな協調減産を続けている。

https://jp.reuters.com/article/oil-opec-russia-siluanov-idJPKCN1TB1XR

ロシアは、中東と同じくらい原油収入に依存している産油国です。
最近は原油安が継続しているため、OPEC(石油輸出国機構)と協調減産していたようです。

ドイツとポーランドはロシア産の原油の質が悪いからという理由で、ロシア産原油の輸入を一部停止しました。
参考記事:ドイツとポーランド、ロシア産原油の輸入を一部停止 品質悪化で

さらにプーチン大統領は石油業界への増税を断行したため、採算が合わなくなり、極東地域のコンビナート建設が中止する事態に発展しています。

参考記事:ロスネフチ、極東での巨大原油精製・石化コンビナート建設中止を表明

となると、イランと国家的な結びつきが強いロシアがイランに依頼し、イランは「フーシ」という武装勢力に依頼するという形で、サウジアラビアへドローン攻撃を仕掛けたという見方もできます。

以上です。

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