大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2022年2月11日(令和4年2月11日)
本日は我が国日本の中央銀行である日本銀行のオペレーションを勉強しましょう。
日本銀行が国債を無制限購入へ
指定した利回りで無制限に国債を買い取る「指し値オペ」と呼ばれる金利抑制策を発動する。
引用元:日銀、14日に金利抑制策発動 国債を0.25%で購入
新発10年物国債を対象に、0.25%の利回りで原則として応札分をすべて買い取ると通知した。
日本銀行は指定した利回りで無制限に国債を買い取る「指し値オペ」を発動すると発表しました。
新規発行した10年物国債を対象として、0.25%利回りで原則として全て買い取るとのこと。
事実上、国債を無制限に購入するというオペレーションの実行を宣言した格好になりました。
指し値というのは、私のような個人投資家でもよく利用する買い付け手法でございまして、とある価格以下のときに、証券口座にある預金の内、指定した金額分を購入するということが技術的に可能です。
株式や債券を安値で仕入れたいときに利用する手法でもあります。
もちろん日本銀行は発券銀行でございますから、予算制約はございませんので、無制限買い付けができます。
日本銀行は無制限で国債を購入すると宣言しているわけですから、国債価格が暴落したとしても日本銀行が買い支えることが可能なので、国債の投げ売りが発生しても怖くありません。
財政破綻という幻想を信じてしまっている方々は「指し値オペ」を知らないのでしょうか。
国債という商品を安いところから順に買い入れるのが通常オペ
通常の国債買い入れオペは、買い入れ対象の国債を示した上で金融機関などに希望する売却価格を提示してもらい、提示額が安い順に国債を買い入れる。
引用元:日銀、14日に金利抑制策発動 国債を0.25%で購入
通常の国債買いオペというのは、購入したい国債の種類を提示しておいてから、希望する売却価格を提示してもらい、提示価格が安い順番に買い入れるというオペレーションになるそうです。
一般競争入札のようなものですね。
一番安い価格を提示した金融機関から購入してくれるわけですから。
指し値オペは長期金利抑制効果が大きいらしい
指し値オペは日銀があらかじめ購入価格を決めることで、市場に出回る国債の価格が日銀の購入価格を下回ることを防ぐのが狙いだ。
引用元:日銀、14日に金利抑制策発動 国債を0.25%で購入
指し値オペとは、日銀が購入価格を決めてしまって、債券市場に流通している国債価格が日銀の購入価格を下回ることを防ぐことができます。
100万円で国債を購入する大口で優良なお客様がいるのに、80万円で国債を購入したいというお客が出現したとしても誰も売却しようとはしません。
日本銀行に優先的に買ってもらいたいと思うでしょう。
したがって、国債価格の下支えになるということなのです。
最後の買い手として日本銀行は振る舞っていると言えます。
本記事の最後に「最後の貸し手」について説明して終わりにしたいと思います。
最後の貸し手としての中央銀行
最後の貸し手(さいごのかして、英語: Lender of last resort)とは、他に貸し手が居なくなったときに最後に貸す貸し手。
引用元:Wikipediaより
特に、破綻に瀕した金融機関に対して、発動される中央銀行の機能のことを指す。
1873年恐慌のときにウォルター・バジョットが中央銀行の責務として主張したものであり[1]、数年後からイングランド銀行の不文律と化した。
日本銀行が発動するものは日銀特融とよばれる。
預金者の保護を目的に発動され、対象の金融機関に対し無担保で融資が行われる。預金者の保護を目的に行われるものであるが、反面モラル・ハザードを起こすことが懸念される。
上記はWikiからの引用なので、正確性に疑問符が付きます。
ただ、中央銀行である日本銀行が、預金者の保護を目的に「最後の貸し手」として破綻に瀕した金融機関に無担保融資をするというのを日銀特融(日本銀行特別融資???)というらしいです。
Wikipediaの内容だけですと、不安なので、日銀特融について規定されている日本銀行法第37条及び第38条について調べてみましょう。
第三十七条
引用元:日本銀行法第37条より
日本銀行は、金融機関(銀行その他の預金等(預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)第二条第二項に規定する預金等及び貯金をいう。)の受入れ及び為替取引を業として行う者をいう。以下同じ。)その他の金融業を営む者であって政令で定めるもの(以下「金融機関等」という。)において電子情報処理組織の故障その他の偶発的な事由により予見し難い支払資金の一時的な不足が生じた場合であって、その不足する支払資金が直ちに確保されなければ当該金融機関等の業務の遂行に著しい支障が生じるおそれがある場合において、金融機関の間における資金決済の円滑の確保を図るために必要があると認めるときは、第三十三条第一項の規定にかかわらず、当該金融機関等に対し、政令で定める期間を限度として、担保を徴求することなくその不足する支払資金に相当する金額の資金の貸付けを行うことができる。
2 日本銀行は、前項の規定による貸付けを行ったときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣及び財務大臣に届け出なければならない。
日本銀行はシステム不備や故障、その他の偶発的な理由(破綻の噂で取り付け騒ぎなど)によって資金不足に陥った金融機関に対して、無担保融資可能であるということです。
第三十八条
引用元:日本銀行法第38条より
内閣総理大臣及び財務大臣は、銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第五十七条の五の規定その他の法令の規定による協議に基づき信用秩序の維持に重大な支障が生じるおそれがあると認めるとき、その他の信用秩序の維持のため特に必要があると認めるときは、日本銀行に対し、当該協議に係る金融機関への資金の貸付けその他の信用秩序の維持のために必要と認められる業務を行うことを要請することができる。
2 日本銀行は、前項の規定による内閣総理大臣及び財務大臣の要請があったときは、第三十三条第一項に規定する業務のほか、当該要請に応じて特別の条件による資金の貸付けその他の信用秩序の維持のために必要と認められる業務を行うことができる。
要するに、不測の事態(リーマンショックのような金融危機など)に陥った場合、内閣総理及び財務大臣は日本銀行に対して金融機関への貸付業務を要請することができます。
私なりに解釈させていただくと、キーボードをタッチするだけで日銀当座預金を増やすことができて、発券銀行である日本銀行は取り付け騒ぎなどで現金を用意しなければならない金融機関に無担保融資することで信用不安を取り除くことができます。
まさに、最後の貸し手であり、金融システムの安定化に寄与しており、預金者は安心して金融機関へお金を預けることができます。
以上です。