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反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2022年1月15日(令和4年1月15日)
本日は好評いただきましたロシア関連記事でございます。
ロシアの自国通貨であるルーブルが下落基調
6日の外国為替市場で、ロシアルーブルが対ドルで2021年4月以来およそ9カ月ぶりの安値水準で推移した。
引用元:ロシアルーブル、対ドル9カ月ぶり安値 地政学不安で
米国の金融引き締めが意識されたうえ、ロシアが抱える地政学的リスクも不安視され、ドル買い・ルーブル売りが進んだ。
資源価格の上昇という追い風はあるものの、ルーブル売りが先行しているようだ。
ウクライナ侵攻に踏み切るのではないかと言われ、地政学的なリスクを高めているロシアでございますが、自国通貨であるルーブルが対ドルで下落しているようです。
1月15日現在の対ドル相場に関しては76ドル前半で落ち着いているとは言え、これで本当にウクライナ侵攻となれば、一段とルーブル安が進行するかもしれません。
このルーブル安で儲けようとしてる欧米系の大手ヘッジファンドのルーブル売り崩しに耐えられるのかという問題でプーチン大統領は頭を悩ませることでしょう。
自国通貨安とは、輸入物価を引き上げる要因になり得ますから、ロシア国民の生活が苦しくなるでしょうし、ウクライナ侵攻に伴う経済制裁で物価が跳ね上がることもあり得ます。
どうにかして輸出を増やすことで外貨を獲得し、自国通貨を防衛できるだけの資本力を高めなければなりませんし、できるだけ輸入に頼らない国家体制を構築するのが得策と言えます。
ロシアは輸出関税と輸出枠の両輪で小麦を出し渋る
小麦の国際相場を、世界最大の輸出国ロシアが揺さぶっている。
引用元:小麦相場、ロシアが揺らす 輸出規制・国際紛争を警戒
国内の食料価格上昇に対処するために輸出制限を強化しており、相場の上昇を招いた。
さらに、同じ小麦輸出国のウクライナとの緊張が深刻化すれば2014年のような急騰につながる可能性がある。
(中略)
ロシアは主に輸出税の引き上げと輸出の上限を定める枠の設定で輸出量のコントロールを強めている。
ロシアが小麦の輸出税の引き上げと輸出上限枠を定めており、小麦の供給を絞っております。
また、ロシアのウクライナ侵攻によりウクライナ西部の穀倉地帯が打撃を受けるので、小麦の供給の低下が予想されるため、小麦価格の上昇が懸念されております。
国際指標である米シカゴ商品取引所の小麦先物価格は2019年1月から上昇基調なのでございますが、さらに価格が跳ね上がるかもしれません。
簡単に説明しますと、シカゴ商品取引所の小麦先物価格は2019年1月には1ブッシェル=4ドル前半だったのが、2022年1月には約8ドルまで上昇しており、単純計算ですが約2倍まで高騰しているのです。
私の記憶が正しければ、ロシアは農作物の輸出を積極的に進めるため、小麦の増産を国家総動員体制で推し進めていたはずですが、どうやら方針転換があったようです。
※参考記事:ロシアが木材・製鉄・農作物を輸出攻勢へ商品取引所を利用して売込み
※参考記事:農業新興国ロシアを利用するにはどうすればいいのか。大豆と小麦です
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済対策と食品インフレ対策のため、小麦の輸出規制を強化する方針に転換されたようです。
危機的状況下においては国際市場に対して小麦を輸出する余裕は無いということなのでしょう。
ロシア農業省が公表する小麦の輸出関税は21年12月中旬時点で1トン94ドルと6月初旬に比べ3倍以上となった。
引用元:小麦相場、ロシアが揺らす 輸出規制・国際紛争を警戒
さらに日本の農林水産省によると、ロシアは20年、21年と続けてきた輸出枠を22年も継続し2月~6月末まで800万トンの枠を導入する方針だ。
輸出関税が1年で3倍以上になり、小麦の輸出枠を継続するとなると、需要と供給によって決まる小麦市場においては、価格押し上げ効果がございます。
小麦の国際シェアはロシア単独で約17%ということであり、他の国家が増産または備蓄放出ということになれば、価格は低下するでしょうが、予断を許しませんね。
オーストラリア、EU、ウクライナ、アメリカ、カナダなどの小麦輸出国家の動向を注視するべきだと思います。
おそらく小麦に関しては大手ヘッジファンドの投機資金が流入するでしょう。
確実に小麦価格が上昇するイベントが控えているからです。
ロシアのウクライナ侵攻がそれに該当します。
ウクライナ侵攻で小麦価格は上昇し、投機熱が高まるかもしれない
ウクライナは世界有数の小麦輸出国だ。
引用元:小麦相場、ロシアが揺らす 輸出規制・国際紛争を警戒
同国をめぐり米国とロシアの関係が悪化し物流混乱などが起きれば、小麦の供給が減る可能性もある。
14年には、ロシアがウクライナ南部のクリミア半島に侵攻するとの緊張の高まりが市場に意識され価格が一時的に上昇した。
ウクライナという国家は東部が工業地帯であり、西部が穀倉地帯であるため、もしロシアがウクライナ西部への侵攻を開始して、小麦が燃やされ、物流が寸断されてしまった場合、小麦の供給が低下してしまい、小麦価格は上昇します。
いわゆる供給低下型物価上昇(サプライダウン・インフレーション)に該当します。
さらに、小麦価格が確実に上昇するイベントが発生するとなれば、大手ヘッジファンドは黙っていません。
必ず投機資金を小麦市場に瞬間的に投下してくることでしょう。
それが小麦価格の上昇に拍車を掛けることになり、買いが買いを呼ぶという一種のバブルになると予想します。
その結果、小麦輸入国である我が国日本も間接的には影響を受けますし、日本以外の小麦輸入国は民衆の怒りに火が付くかもしれません。
ウクライナ侵攻の口実探しをしているのか
米ホワイトハウスのサキ大統領報道官は14日の記者会見で、ロシアがウクライナに侵攻する口実とする偽装工作を計画している情報を入手したと明らかにした。
引用元:米「ロシアが偽装工作計画」 ウクライナ侵攻の口実か
(中略)
ロシアが敵になりすまして自国の工作員をウクライナに送り込み、敵対行為を自ら実行したにもかかわらずウクライナから攻撃を受けたなどと主張して侵攻を正当化する計画だと米政府はみている。
アメリカの大統領報道官はウクライナ侵攻の口実をロシア自ら作り出す偽装工作を計画している情報を入手したのだそうです。
いわゆる自作自演というやつでして、ロシアの工作員がウクライナ軍やウクライナ人になりすまして、ロシア軍に攻撃を加えて、ウクライナから攻撃を受けたので報復するという筋書きとのこと。
ただ、これがロシアを意図的に悪者にするアンチ・ロシアプロパガンダである可能性がございますし、アメリカの対ウクライナ政策に対する支持を獲得するための嘘である可能性もあります。
ロシアの偽装工作計画が本当なのか、ラングレー(CIA)もしくはペンタゴン(アメリカ国防総省)の作り話なのかはさておいたとしても、インテリジェンス戦争はすでに開始されたと見てよろしいのではないかと。
これはさらにルーブル安が進行するでしょうね。
以上です。