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自由民主党の高市早苗衆院議員は国債金利上昇で民間投資が減ると誤解

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反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2021年9月12日(令和3年9月12日)

高市早苗はプライマリーバランス黒字を凍結か

自民党総裁選へ出馬する意向の高市早苗前総務相は重点政策をまとめた。
物価安定目標のインフレ率2%を達成するまで国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を巡る規律の凍結を主張する。
災害対応をはじめとする財政出動の拡大を強調した。

引用元:高市氏「インフレ率2%までPB凍結」 新著で

自民党総裁選へ出馬する意向で既に推薦人20人を集めたらしい高市早苗衆院議員は、インフレ率2%を達成するまで基礎的財政収支の黒字化を凍結する旨を主張しています。

基礎的財政収支(プライマリーバランス)とは何かについて、まずは学びましょう。

基礎的財政収支(プライマリー・バランス)とは、税収・税外収入と、国債費(国債の元本返済や利子の支払いにあてられる費用)を除く歳出との収支のことを表し、その時点で必要とされる政策的経費を、その時点の税収等でどれだけまかなえているかを示す指標となっています。

引用元:財務省「よくあるご質問」より

基礎的財政収支とは、財務省が病的にこだわっている指標でございまして、税収からその時点で必要とされる政策的経費を差し引いた収支のことです。

おそらく財政破綻してしまうという妄想に駆られ、日本政府の公的債務残高を減少させたいのだと推察します。

変動相場制を採用し、自国通貨を保有している日本政府には財政的予算制約はありません。
お金が足りないのであれば、税収や国債に頼らずとも国庫短期証券を日本銀行へ送付すれば、政府預金(日本政府が日本銀行に開設している口座のお金)が増えますので、お金が足りなくなるということはありません。

要するに、発券銀行であり中央銀行である日本銀行から民間金融機関に影響を与えずにお金を引き出すことができます。

いわゆる反緊縮派や積極財政派と呼ばれる方々の中には、高市早苗衆院議員のこの主張に賛同を示し、積極財政派として支持する方もいらっしゃるようです。

私はあまりにも粗雑なお考えの高市早苗衆院議員を支持することはできません。

基礎的財政収支(プライマリーバランス)を凍結するということは、インフレ率2%になったら復活するということですから、財政規律から脱却できておりませんし、インフレ2%まではというのも情報弱者を騙せる単語なので、とても危険な香りが来ます。

インフレを測定する経済指標を明言されてはいない

高市早苗衆院議員の「インフレ率2%になるまで基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を凍結する」という主張には問題点が2つございます。

1、インフレ率の定義を明確にしていない
2、インフレ率の目標をなぜ2%に設定しているのか言及されていない

まず、1点目について説明します。

そもそもインフレ率とは何かという定義の問題です。
ここは明確にしていただかないと、詭弁を弄する恐れがございます。

例えば、インフレ率とは消費者物価指数(CPI)のことであると高市早苗衆院議員が説明されたとします。
その場合、天候不順などで食糧価格が高騰したり、海外から輸入している原油の価格が高騰して、消費者物価指数が跳ね上がった場合、インフレ率2%達成ということになってしまいます。

インフレ率2%まで基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を凍結というのは、高市早苗衆院議員が主張する財政出動によって、民間企業や家計(個人)の所得が増え、それに伴い消費や投資が増えて、需要が供給を上回っているのかを客観的に判定するためのものです。

しかしながら、インフレ率の定義によっては、高市早苗衆院議員が財政出動に踏み切らず、偶然の出来事でもインフレ率2%を達成できることとなり、消極財政のための言い訳になる可能性がございます。

あえて申し上げますと、高市早苗衆院議員が積極財政を掲げて自民党総裁になり、内閣総理大臣に就任したとしても、消極財政に踏み切る可能性が残されているということになります。

2点目について説明します。

なぜインフレ率が2%までなのかという疑問があります。

おそらく、インフレ率が2%という物価水準が雇用が最大化された経済環境で許容されるインフレ率なのではないかと推察します。
いわゆるフィリップ曲線の話から、インフレ率2%という数字が出てきたのではないかと。

フィリップ曲線とは物価上昇率と失業率のトレードオフの関係を示す曲線なのですが、スタグフレーション(インフレ率が高いのに、失業率も高い)も現実の経済現象としてございますし、日本のデフレ不況(インフレ率が低いのに、失業率も低い)という現実の経済現象もございます。

したがって、フィリップ曲線に執着するのは妥当な判断とは言えません。

ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマンも著書(ポール・クルーグマン著、大野和基訳、山形浩生監修・解説『そして日本経済が世界の希望になる』p113-114より)の中でインフレ率は4%が一番望ましいと主張されています。

もう少し噛み砕いて説明しましょう。

インフレ率2%を目指す場合とインフレ率4%を目指す場合を比べたら、どちらの方が日本国民の給料をより増やす政策を実行することになるでしょうか。

常識的に考えたら、インフレ率2%を目指す場合よりもインフレ率4%を目指す場合の方がより早く、より多く給料を増やす政策を実行することになります。

「失われた30年」において、失業や所得の減少という厳しい状況によって失われたお金を可能な限り早く日本国民の手に取り戻す必要があるのです。

長期金利が上昇しても民間金融機関の日銀当座預金が減るだけ

将来世代に負担を残すことになるのかどうかは、国債発行によって金利が上がるかどうかで判断するべきだ。
金利が上がれば、民間投資が阻害され、将来の消費可能資源が減ってしまう。
しかし、現在のような超低金利下では、そのようなことは起こらない。

引用元: 高市早苗著『美しく、強く、成長する国へ』 p33より

上記において、高市早苗衆院議員が国債の利回り(例えば、長期金利など)が上昇することによって、民間投資が阻害され、詳細の消費可能資源が減少してしまうと言及されておりますが、これは間違いです。

主流派経済学においては、国債の金利が上昇(言い換えれば、国債価格の下落)することになれば、民間金融機関としては、民間企業や家計(個人)にお金を融資するよりも、国債を買い求めるので、融資に回せるお金が足りなくなると想定し、民間投資が阻害されるとされています。

現代貨幣理論においては、民間金融機関(主に銀行)においては、民間企業や家計(個人)が保有している口座にお金を振り込むだけで融資可能であり、融資したお金を返済する意思があり、返済能力さえあれば、融資できるので、お金が足りないから融資できないということにはなりません。

いわゆる万年筆マネーであり、私はキーボードタッチ・マネーと呼称しておりますが、現代貨幣理論においては「内生的貨幣供給説」つまりは、貸出により預金が生み出されています。

したがって、国債の金利が上昇して、民間金融機関が国債を買い求めたとしても、民間金融機関の日銀当座預金が減少するだけであり、民間金融機関が融資できるお金が減るということにはなり得ません。

以上です。

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