大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年10月14日(令和2年10月14日)
非自発的失業が概念として無くなる?
ベーシックインカムはケインズの思想とはあまりに乖離している。
引用元:マクシム(経世済民)様のツイートより
そして、あらゆる「経済学者」はBIを礼賛する。
BIがあれば、働く意欲がありながら働く機会が得られない非自発的失業の存在は“概念的に消滅”してくれるからだ。
BIの施行後、失業者はすべて「自発的に失業している」事になるからだ。
本日は、私がフォローさせていただいているアカウントをご紹介しつつ、あえて批判させていただければと存じます。
マクシム(経世済民)様が反緊縮派というのは存じていたのですが、ベーシックインカム批判をされているようです。
ベーシックインカムを導入した経済環境においては、非自発失業の存在は概念的に消滅するのだそうです。
非自発的失業という少々難しい単語が出てきました。
失業には様々な種類がございますので、紹介させていただきます。
詳しくはマクロ経済学の書籍を紐解いてみて下さい。
1、自発的失業(労働市場に参入しているが、現行の賃金や待遇では働きたくなく、自らの意思で就業しない時に発生する失業)
ハローワークには登録しているが、就業条件が悪いことを理由として、就職していない場合に該当します。
2、摩擦的失業(地域間,産業間における労働力移動の不完全性,あるいは季節的理由などによる労働需給の一時的不均衡から生じる失業)
経済成長に伴う、農業から工業もしくはサービス業への転職が国民経済全体でみたら上手くいっていない場合に該当します。
3、非自発的失業(労働市場において現行の賃金や待遇で働く意思があるのに、供給過剰により働けない時に発生する失業)
バブル崩壊後の就職氷河期時代とリーマンショック以後の就職難がこれに該当します。
日本の労働市場において、企業側が提示している給料で働く気があるのに働けない日本国民が限りなく少ない状態が完全雇用だと言えます。
日本政府としては、3番目の非自発的失業を可能な限り減らすために経済政策を策定、実行し、完全雇用を目指す必要があると私は主張しております。
ただ、ベーシックインカムを導入すると失業者はすべて自発的失業者になるのですって。
ちょっと何を言っているのかわかりません。
非自発的失業とは、仕事や企業側から提供される待遇や求人などに関連する概念であり、少なくともベーシックインカムが導入されたからといって消滅するわけではないと思います。
ベーシックインカム導入後の経済において、企業が倒産または自主廃業する場合もございますので、そうしたら非自発的失業が発生しますし、大学卒業予定者が新卒での就職ができなかったら、非自発的失業になります。
論点のすり替えではない
また、ベーシックインカムの論拠として失業給付制度や生活保護制度が不備であるためにそこからこぼれ落ちるものが発生している(だからBI)ということが頻繁に挙げられるが、 その制度を改善すべきという議論の根拠にはなり得ても、BI論の論拠にはなり得ないだろう。
引用元:マクシム(経世済民)様のツイートより
なぜ論点をすり替えるのか。
社会保障制度の不備を補うために、ベーシックインカムを導入しようと主張している人間は多いと思います。
私も社会保障の穴を塞ぐ必要があるため、ベーシックインカムの導入を主張しております。
マクシム(経世済民)様は社会保障制度を改善するべきという議論の根拠にはなり得てもベーシックインカムの論拠にはなり得ないと主張しております。
社会保障の穴を塞ぐためにベーシックインカムを推奨するというのは、少なくとも論点のすり替えにはならないということは確実に言い切れます。
正確に申し上げると「社会保障制度に不備があるから、社会保障制度改革だ!」ということになり得ますし「社会保障制度に不備があるから、既存の社会保障以外の制度を創設して、不備を補おう!」ということにもなり得ます。
私は既存の社会保障制度の改善も手段の一つだと思うが、ベーシックインカムを導入する方が効率的であると主張しています。
既存の社会保障をそのまま維持するか改善することにも賛成なのです。
ベーシックインカムを導入するから、社会保障制度を削減せよというのは反対です。
経済学の役割の放棄とはこれ如何に
今の日本には「人手不足だけど待遇悪すぎの職場」が沢山ある。
引用元:マクシム(経世済民)様のツイートより
私は、社会的に有用な活動なのにその報酬が劣悪であるために潜在的な労働需要に労働供給が対応できていない状況、これを公的な介入によって是正することが第一であると考える。
ベーシックインカムは、経済学の役割の放棄である。
つまり、ブラック企業を中央政府や地方自治体の介入によって駆逐するべきと主張しているわけですよね?
そのためにこそ、ベーシックインカムを導入するのは効果的なのではないでしょうか。
お金を稼ぐ必要性に駆られ、転職活動費すら捻出することができず、ブラック企業に苦しむ日本人は大勢いると思いますよ。
ブラック企業から逃げやすい経済環境を作りつつ、一般庶民の購買力を底上げして、消費が活発化する世の中になれば、それなりの給料を出し福利厚生を整える企業こそが生き残ると思います。
労働に見合った給料や福利厚生を用意できない企業から労働者は離れますから、ブラック企業の経営者もホワイト企業への転換を模索するのではないでしょうか。
過度なインフレにならない政府支出規模を、経済シミュレーションで事前把握しておいて、消費税を廃止して、公共投資を行いつつ、少額のベーシックインカムを導入するところから始めて、ブラック企業を駆逐しましょう。
以上です。