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反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2019年10月28日(令和元年10月28日)
北朝鮮が対米交渉の切り札を保有?
米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)は9日、最新の衛星写真に基づき、北朝鮮東部新浦の造船所の一部が上空から見えないよう覆われ、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)が搭載可能な新型潜水艦の公開に向けた動きの可能性があるとする分析を発表した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50826890Q9A011C1EAF000/
アメリカのシンクタンクが、北朝鮮の潜水艦から発射するタイプの長距離弾道ミサイルが搭載可能な潜水艦を公開する動きがあるかもしれないと発表しました。
北朝鮮とアメリカはトランプ大統領のパフォーマンス外交によって、融和ムードですが、アメリカによる対北朝鮮経済制裁は継続しています。
これに北朝鮮は苦しんでおり、制裁解除を要求しています。
無論、アメリカは北朝鮮の要求を撥ね退けていますので、北朝鮮としては軍事力を誇示してでも、事態を打開しようとしています。
この中で、アメリカが一方的な非核化を要求しているとする認識を示したうえで、「われわれを孤立させ圧殺しようとしている」と非難しました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191027/k10012152051000.html
そのうえで、「それでも米朝関係が維持されているのは、キム委員長とトランプ大統領との親密な関係のおかげだ」とした一方、「親密な関係を前面に立てて時間をかせぎ、ことしの末を無難に過ごそうと思うならそれは愚かな妄想だ」としてアメリカをけん制しました。
おそらく対北朝鮮経済制裁が北朝鮮の経済体力を奪っているため、このような強硬姿勢につながっているようです。
北朝鮮のミサイル発射実験
北朝鮮は2日、新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の実験を行ったとみられる。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/10/post-13121.php
SLBMの開発は着手から比較的日が浅いが、核弾頭搭載に向けて急速に進んできた。
今回の発射がSLBMであれば、この3年間では初めてとなる。
発射の数時間前に、北朝鮮は今週末に米国と核開発問題の協議を再開すると発表していた。
ミサイルの正確なタイプや、発射プラットフォームはなお不明だが、専門家は「既存の枠を超える」動きだったように見えると指摘した。
仮に、北朝鮮のミサイル発射が、潜水艦からの発射だったとすれば、我が国日本にとっては脅威になります。
海溝が深く、潜水艦が見つかりにくい日本海において、北朝鮮の潜水艦からミサイルが発射されれば、それだけ迎撃対応が遅れてしまいます。
北朝鮮の潜水艦は静粛性が劣るという話もございますが、動力源を全く起動せず、北朝鮮近くの海域に沈めるだけであれば、見つかりにくいでしょう。
ミサイルが標準的な軌道で発射されていれば、飛距離は最長1900キロとなり、中距離ミサイルに分類される。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/10/post-13121.php
韓国と日本の全土が射程内に収まる形。
両国にとって近海に展開した潜水艦からのミサイルは、ミサイル防衛システムでの対応がより困難となる。
SLBMの脅威は潜水艦の航続距離次第でどんどん高まる。
北朝鮮が保有する「ロメオ級」は約7000キロの航続距離を持つとみられ、片道ならハワイ近くまで到達できる。
ただロメオ級のエンジンはディーゼル式で非常に音が大きいので、探知されやすい。
特に米軍は旧ソ連の潜水艦に数十年も対処してきたという経験がある。
なぜ潜水艦からのミサイルは迎撃しにくいかと申しますと、発射地点を特定するのが困難であり、事前予兆なしの奇襲攻撃も可能であるからです。
海中を遊泳しつつ、ミサイル発射前においてはエンジンを止め、探知されにくい状態にしてから、固定目標に向かってミサイルをいつでも撃てる状態で待機することが可能なのです。
報復核攻撃能力を保持すると厄介だ
SLBMは、先制核攻撃を受けた場合に報復する「第2撃能力」を確保する上で鍵になるとみなされている。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/10/post-13121_2.php
この能力を備えるには、潜水艦は核の弾道ミサイルを発射できるだけでなく、敵を攻撃できる範囲で航行し続けることが必要になる。
軍事専門家は、北朝鮮の潜水艦技術が第2撃能力を得る地点まで高まったかどうか懐疑的だ。
核戦略上、核の核抑止が成り立つためには、報復核攻撃能力、言い換えるならば「第2撃能力」を保有する必要がございます。
仮に、アメリカが北朝鮮に先制核攻撃した場合、北朝鮮の核ミサイルがすべて破壊されてしまった場合、報復する手段が無くなってしまいます。
したがって、敵の第一撃から生き残る核戦力を保有しなけければ、核抑止など成り立たないので、潜水艦という移動プラットフォームが必要なのです。
固定されたプラットフォームよりも、移動するプラットフォームの方が破壊されにくいからです。
北朝鮮の技術力を侮るな
上記のような北朝鮮の軍事力を認識していたとしても、北朝鮮のような貧困国家のことだから大したことはないと油断している防衛関係者もいます。
私はそのような態度は厳に慎むべきだと思います。
我が国日本の鳥取県ほどのGDPしかないのに、アメリカを驚愕させるほどの軍事力を整備してみせたのです。
純粋に軍事的な意味で言えば、賞賛されて然るべき生産性の高さなのです。
北朝鮮の兵士がどんなに痩せこけても、北朝鮮の人民がどんなに飢餓で苦しんでも、北朝鮮の国家指導者層は意に介さず軍事力を強化してきました。
それは国家の在り方から言えば、狂気であり、ある意味では軍事合理性の塊であり、国家体制の維持という観点からは当然の行動です。
むしろ、すぐ隣に核武装国家が存在しているのに、非核三原則を掲げる我が国日本はあり得ないほど愚かと言えますし、北朝鮮が無政府状態の国際社会を正しく認識し、合理的に行動していたと言えます。