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世界経済

ファースト・リパブリック・バンクが事実上破綻。バランスシート毀損

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大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2023年5月4日(令和5年5月4日)

ファースト・リパブリック・バンクが事実上の経営破綻

米連邦預金保険公社(FDIC)は1日、米地銀ファースト・リパブリック・バンク(FRC)が経営破綻し、公的管理下に置いたと発表した。
米銀最大手JPモルガン・チェースがFRCのすべての預金と資産を買収するとも発表した。

引用元:米地銀FRC破綻、JPモルガンが買収 過去2番目の規模

私が予想していた結果になってしまったようです。

ファースト・リパブリック・バンクの破綻可能性は70%だと予想していました。

大手銀行に買収されるか、政策当局の奇跡的な手法でどうにか救済されるとも予想しておりました。

アメリカ連邦預金保険公社の管理下に置かれてから、大手銀行に買収されるという結果になりました。

※参考記事:アメリカの金融危機が再燃している。ゼロ金利政策は金融安定に貢献か

本日は、この件に関して深堀りできればと考えます。

JPモルガンがお得なお買い物をしたか?

JPモルガンはFRCの1730億ドル(約23兆7000億円)の貸出債権、300億ドルの証券、920億ドルの預金を引き取る。
買収代金としてFDICに106億ドル支払う。
FRCが米国内8州に構える84支店はJPモルガンの支店として1日に営業を再開する予定という。

引用元:米地銀FRC破綻、JPモルガンが買収 過去2番目の規模

ファースト・リパブリック・バンクが保有している貸出債券、証券、預金をJPモルガンが引き取るとのこと。

2950億ドルの資産を引き継ぐために、買収代金としてアメリカ連邦預金保険公社に106億ドルを支払うことになりました。

しかも、実店舗も引き受けることになったので、84支店がJPモルガンの支店として営業再開するそうです。

もちろん、貸出債権が回収できるのか不透明であり、証券価値の毀損などのリスクもあります。

しかしながら、火中の栗を拾うことで銀行業務の拡大を成し遂げたJPモルガンの一人勝ちと言えましょう。

一方で、アメリカ国内の金融市場は寡占状態に近づいてしまいました。

多数の需要者と多数の供給者が揃って初めて健全な市場は成り立ちます。

したがって、今回の買収劇は長期的に見たら良くないことかもしれません。

銀行破綻の被害者は債券と株式を保有していた者たち

ファースト・リパブリック・バンクを含め今年に入り破綻した米銀4行の投資家は保有していた証券がほぼ無価値となり、540億ドル(約7兆3000億円)を超える損失を被った。
(中略)
ファースト・リパブリック、シルバーゲート・キャピタル、シリコンバレー銀行(SVB)、シグネチャー・バンクの救済計画には、優先株や債券の保有者は含まれていない。

引用元:米地銀FRC破綻、JPモルガンが買収 過去2番目の規模

今回の銀行の連鎖破綻に関してなのですが、預金者は保護されました。

しかしながら、各銀行の債券や株式は保護の対象にはなっておりません。

比較的資金的余裕がある個人投資家や民間企業、大手ヘッジファンドなどが割を食う形となっております。

それが約7兆3000億円もの大金であり、バランスシートが毀損してしまいました。

資産の部(借方)が縮小することで、財務状態が危険な方向に振れてしまうわけでして。

大手ヘッジファンドや投資家などの心理が悪化して、新規投資に後ろ向きになることが怖いです。

私個人は投資信託を保有しているだけなので、一時的に投資信託の基準価格が下落するだけで済みます。

けれども、保有している債券や株式の一部でも価値がゼロになる衝撃は凄まじいものがございます。

これが新たな金融危機の遠因にならないことを切に願います。

政策金利の引き上げが打ち止めになるかも

米連邦公開市場委員会(FOMC)は5月2、3日に開催した定例会合で、主要政策金利を0.25ポイント引き上げることを決定。
一方、経済面でのリスクが強まる中、利上げが今回で打ち止めになる可能性も示唆した。
今回の利上げでフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは5-5.25%となった。
これは2007年以来の高水準。

引用元:FOMC、0.25ポイント利上げ-パウエル議長は停止の可能性示唆

アメリカ連邦公開市場委員会において、政策金利(FFレート)が0.25%引き上げられることになりました。

その結果、政策金利(FFレート)は5~5.25%になりました。

無担保コールレートに相当するFFレートが5~5.25%なので、準備預金を借りる費用がさらに引き上げられたことになります。

したがって、金融機関同士のお金の融通がさらに難しくなり、金融が不安定化したことになります。

金融機関の個人や企業に対する貸付が難しくなり、安全資産として保有していた債券の売却圧力が進むことでしょう。

アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は政策金利の引き上げが打ち止めになる可能性を示唆しました。

しかしながら、インフレが再燃する場合はその限りではないという曖昧戦術を採用したようです。

次の経営破綻候補はパックウェスト・バンコープパシフィック・ウェスタン・バンク)

米地方銀行持ち株会社パックウェスト・バンコープは身売りを含めた一連の戦略的選択肢を検討していると、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
同業3行の破綻を受けて、パックウェストの経営が危ぶまれている。
(中略)
傘下に地銀のパシフィック・ウェスタン・バンクや複数の商業・消費者向け貸し付け事業を持つパックウェスト全体に関心を持つ潜在的な買い手は多くなく、一体的な売却は難しいと関係者は指摘する。
買い手候補がいたとしても、融資の一部で大幅な評価損計上を迫られる可能性があるという。

引用元:米地銀パックウェスト、身売り含めた戦略的選択肢を検討-関係者

さて、一部報道では次の破綻候補が出てきているようです。

アメリカ地方銀行持ち株会社パックウェスト・バンコープの危険性が増してきているらしく、身売り先を探しているとのこと。

様々な事業を手掛けているので、一旦分割して、身売りが最善策だとは思います。

しかしながら、買い手が出現するとは断言できません。

パックウェスト・バンコープの破綻可能性は70%だと予想します。

丸ごと大手金融機関に買収されるか、公的機関の管理下に置かれるのか、一部事業を切り離して延命なのか、動向を注視したいと思います。

私の予想が悪い意味で当たらなければよいのですが・・・果たして・・・。

以上です。

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