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反逆する武士

国際情勢 地政学

ゲーム理論と地政学で徹底的に考察する戦術核兵器使用シナリオを提示

投稿日:

地域紛争と地政学

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2022年10月9日(令和4年10月9日)

ロシアとウクライナの戦いを合理的に俯瞰してみる

本日は、ロシアのウクライナ侵攻に関して、ゲーム理論と地政学という観点から自由自在に記述したいと思います。

私自身の備忘録的な様相が強い記事になりますので、その点は何卒ご容赦ください。

ロシアがウクライナに侵攻して、紛れもない戦争状態に突入しました。

ウクライナ正規軍とロシア正規軍が激突しているので、国家意思による武力衝突が開始されたということです。

この戦争はロシアの侵略行為であり、国際法違反行為ということは当然としても、別の見方ができるのではないかと考えています。

善悪の範囲外の話になりますが、核武装国家と非核武装国家による総力戦と解釈できるのではないかと。

サイバー空間でのプロパガンダ、兵站と補給、ドローン、経済制裁など、国家存亡の危機に際して利用できるものは利用しています。

非核武装国家と核武装国家の戦いをどのように捉えるべきか

国家間戦争、特に総力戦ともなれば、利用できるものは何でも利用するので、核兵器もその例外ではありません。

ロシアとウクライナにおいて決定的な違い、それは核武装国家なのか否かという点です。

ウクライナはなぜ核武装国家と戦争しているのでしょうか。

それはゲーム理論的には当然なのです。

ウクライナという国家としては、通常戦力で侵攻を受けた場合、国家の生き残りを至上命題とするならば、2つの選択肢があります。

降伏、徹底抗戦の2つです。

ウクライナが独立主権国家として滅亡し、ロシアの傀儡国家になるか皆殺しになるかという降伏という選択肢は論外です。

徹底抗戦に関しても望みは薄いのです。

自国が保有する通常戦力や他国からの援助で整えた軍備を使用して徹底抗戦しても、ロシアからの核攻撃で焼け野原になる可能性がございます。

ただ、ウクライナは徹底抗戦するしかありませんでした。

ロシアに通常戦力で攻められて国家が滅亡するのか、ロシアに核攻撃されて国家が滅亡するのかという絶望の中で答えを出すしかないのです。

通常戦力で徹底抗戦してロシアから核攻撃を受けずに領土を奪還して勝利する(もしくは領土奪還した上で和睦する)しか生き残りの道はありません。

核攻撃のハードルは高く、地政学的にも厳しい

破壊規模がどの程度となり、放射性物質がどれくらい残留するかは、兵器の規模や風向きなどで変わってくる。
しかし、たとえ小規模な核爆発であったとしても、何千という死者が出て、標的とされた基地周辺や市街地は何年にもわたり人間の住めない場所になる可能性がある。
(中略)
さらに卓越風(偏西風)に乗って、ロシアが使用した核兵器の放射性物質がロシアの領土に降り注ぐ可能性も容易に想像がつく。

引用元:核を使ってもプーチンの「目標」達成は無理筋な訳

西側諸国の諜報機関や軍事関係者はロシアの戦術核兵器使用の可能性に言及し、使用は厳しいのではないかとの結論に至っております。

ロシアが戦術核兵器を使用すると、どの程度の破壊力の戦術核兵器を使用するのかにも変わってきますが、ロシアという国家にもダメージはあります。

まず、ウクライナはロシアの西方に位置する隣国なので、ウクライナ国内で拡散された放射性物質が偏西風に乗ってロシア国内に流入する可能性がございます。

クリミア半島やウクライナ東部に駐屯しているロシア軍の兵士にも放射線被爆という被害が発生するかもしれません。

NATO(北大西洋条約機構)からの報復攻撃やさらなる経済制裁という事態に発展しますので、国力がさらに削がれる恐れもございます。

ロシア国内の権力基盤さえ無傷ならば、ロシア人の命が失われてもいいと考えているプーチン大統領だったら戦術核兵器の使用に踏み切るかもしれません。

私が拙ブログにて、プーチン大統領の戦術核兵器の使用可能性が高いと申し上げているのは、独裁者の非合理的な部分を危惧しているからです。

アメリカが核攻撃したのだから、ロシアも核攻撃してもいいとはならない

プーチン氏は激しい口調で行った9月末の猛々しく威圧的な演説で、広島と長崎に原爆を落としたアメリカが「核使用の前例を作った」と述べた。

引用元:核を使ってもプーチンの「目標」達成は無理筋な訳

確かに、大東亜戦争末期において、アメリカは広島と長崎に核攻撃しましたよ。

飛行機に搭載した核爆弾を投下するという戦争犯罪と大虐殺を実施しました。

それは認めますし、アメリカの残虐性を我が国日本は忘れるべきではありません。

しかしながら、そういった前例があるからロシアがウクライナという独立主権国家に対して核攻撃してもいいということにはなりません。

イラク戦争というアメリカの誇大妄想に基づいた侵略戦争を実施したからといって、ロシアがウクライナを侵略していいという理由にはなりません。

ロシアにはアメリカの侵略を非難する資格がありません。

なにせアメリカと同じ侵略国家なのですから。

ロシアの勢力圏であるウクライナをNATO(北大西洋条約機構)に加盟させてロシアを切り取る気だと誇大妄想に取りつかれたロシアにアメリカを非難する資格はありません。

なんでウクライナがロシアを攻めるのですか。

NATO(北大西洋条約機構)がウクライナを足掛かりにしてロシアを攻めるとはどういったことなのですか?

核武装国家に戦争を仕掛けるなんて狂気の沙汰でしょうに。

ウクライナはロシアの国家存続が危うくなるレベルの経済制裁を仕掛けたのですか?
そんな奴おらへんやろ(/・ω・)/

地政学を無視した結果が戦争だったということだ

私はロシアの核戦略に関する理解不足と、ロシアという世界島(ワールドアイランド)の北方を占める大陸国家の被害妄想に今回の問題の原因があるのではと考えています。

もちろん、西側諸国がNATO(北大西洋条約機構)の東方拡大を推し進めてしまったことやウクライナへの軍事的支援を継続してしまったことも原因でしょう。

ウクライナは黒海沿岸の国家であり、ロシアの海へのアクセス権を確保するための重要な位置にあります。

また、かつてはソ連の構成国の1つであり、ロシアという国家の勢力圏という歴史的背景もあり、緩衝地帯(バッファーゾーン)という重要国家なのです。

そのような重要国家を西側諸国に明け渡すというのはロシアとして耐え難いことだったのでしょう。

世界島(ワールドアイランド)とハートランド理論

ハルフォード・ジョン・マッキンダー卿は「東欧を支配するものが、ハートランドを支配し、ハートランドを支配するものが世界島を支配し、世界島を支配するものが世界を支配する」と主張しました。

まさしく東欧諸国をNATO(北大西洋条約機構)に取り込んだシーパワーであるアメリカが、ランドパワーであるロシアと間接的に激突し、ハートランドを支配する段階のようです。

私なりにハルフォード・ジョン・マッキンダー卿の主張を解釈すると以下のようになります。

東欧諸国を制する(コントロールする、または味方に引き入れる)と間接的に東欧諸国とユーラシア内陸部の間の部分である中軸地帯(ハートランド)を制することができる。

中軸地帯(ハートランド)を制する(コントロールする、または味方に引き入れる)とユーラシア内陸部へ影響を与えることができる。

ユーラシア内陸部へ影響を与えられるようになれば、世界島(ユーラシア大陸とアフリカ大陸)を支配できるほどに影響力が拡大していく。

世界島(ユーラシア大陸とアフリカ大陸)を支配できるということは地下資源と陸上輸送と海上輸送のほぼ全てを手中に収めることが容易になる。

それすなわち太陽系第三惑星地球という閉鎖空間の支配者として君臨するも同義である。

ただし、上記のような地政学的な影響力の拡大は時間差や巻き戻しがあるため、簡単なものではない。

したがって、東欧諸国を制した段階で「全世界に君臨する支配者だ」と浮かれてはならない。

要するに、何が言いたいかと申しますと、今回の戦争は歴史的必然であると解釈することも可能ということです。

軍事的に合理的な戦術的核兵器使用シナリオ

以上を踏まえまして、具体的な戦術核兵器の使用シナリオを考えてみました。

おそらくロシアは戦術核兵器を使用する前にヨウ素剤を大量配布するでしょう。

さらに、核シェルターや地下鉄への避難を事前にアナウンスするのではないかと。

その後、黒海の海上にて戦術核兵器を使用して脅すことが考えられます。

もしくは、ザポリージャ原発に対して戦術核兵器を用いて破壊し、ウクライナの仕業と見せかけて大量の放射性物質を拡散させるかもしれません。

そのようなことをしたらNATO(北大西洋条約機構)の反撃やアメリカの核攻撃が来て、ロシアは滅亡すると主張する方もいらっしゃいます。

私は、そのような考えは甘いと思います。

まず、戦術核兵器を使用した報復としてNATO(北大西洋条約機構)軍がロシアを襲撃しても、ロシアは戦術核兵器を撃ちまくり敵の部隊を殲滅することが可能です。

核兵器の怖ろしいところは確実に大量破壊ができるという点なのです。

戦術核兵器で全滅する可能性が濃厚なロシア急襲作戦に、自国の兵士を送るという決断を下せる国家は存在するのでしょうか。

存在しませんよ、常識的に考えて。

ゲーム理論的にあり得ないということになります。

派兵するかしないかという選択肢は浮上しますが、派兵したら自国の兵士がほぼ確実に殲滅する、派兵しなかったら何も起こらないということならば、派兵するという選択にはならないでしょう。

アメリカもロシアに報復核攻撃はしません。

何せロシアの戦略核兵器が健在だからです。

アメリカはロシアを制裁するために自殺行為をしません。

ロシアの核兵器による大量報復が怖いので、核攻撃できないのです。

しかも、アメリカ軍を派兵することもできません。

結局、ウクライナは一方的に戦術核兵器で蹂躙されるだけで、ロシア側に有利な条件での停戦になると予想します。

残酷な結末にならないことを祈りたいですが、合理的かつ冷酷な情勢判断をすると上記のようになるかもしれないのです。

以上です。

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