大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2023年1月7日(令和5年1月7日)
本日は現代貨幣理論を学ぶ上で必要な会計知識が網羅されている書籍をご紹介します。
私は地道に会計に関する勉強もしている人間なのです。
会計を学ぶことを諦めてしまった方々へ
財務3表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書)のつながりを押さえれば、会計のしくみと全体像が一気に理解できます。
引用元:図解「財務3表のつながり」でわかる会計の基本の紹介文より
40万部のベストセラー『財務3表一体理解法』の著者が、会計の基本と経営分析のポイントを図解でわかりやすく解説しました。
会計を初めて学ぶ人、会計の勉強を途中であきらめてしまった人に書いた本です。
今回ご紹介するのは國貞克則著『図解「財務3表のつながり」でわかる会計の基本』です。
現代貨幣理論が日本にて注目を浴びる前から出版されていた会計の基礎知識を学べる本になります。
会計に関する基本的なことがわからないと、現代貨幣理論を正しく理解することができません。
特に、貸借対照表(バランスシート)に関する知識が無かったら、経済全般に関する理解が難しくなります。
したがって、会計に関する地道な勉強が必要です。
この書籍においては、貸借対照表(バランスシート)とキャッシュフロー計算書と損益計算書を同時に理解することで、会計知識を習得しようという書籍ですね。
個人的に秀逸だと思っているのが、会社の何らかの行動やイベントに伴う会計的なお金の動きを詳細に図表を用いて説明しているところです。
教養としての会計知識を得たいというのであれば『図解「財務3表のつながり」でわかる会計の基本』の購入をお勧めします。
以下において、重要なところだけを引用させていただき、会計の勉強に関する一助になれば幸いに存じます。
企業活動の本質とは
会社が行っている基本活動は、どんなに業種が違おうとどの会社も同じです。
引用元:國貞克則.図解「財務3表のつながり」でわかる会計の基本(Kindleの位置No.181-184)..Kindle版より
それは、「お金を集めて」「何かに投資し」「利益をあげる」という3つの活動です。
この3つの基本活動を、財務3表を使って説明しているのです。
まず、民間企業は基本的にどのような活動を行っているのでしょうか。
それは営利活動であると言えば、それまでなのです。
しかしながら、会計的観点で説明するならば、「お金を集めて」「何かに投資し」「利益をあげる」という3つの活動に集約されます。
その3つの活動を財務3表を使用して説明しているのが「会計」と言えます。
基本的な財務3表とは何かという点を簡単に説明します。
財務3表とは何か
1、キャッシュフロー計算書
2、貸借対照表(バランスシート)
3、損益計算書
キャッシュフロー計算書とは、民間企業の現金の動きを表す「家計簿」のようなものです。
民間企業の現金が懐から出ていく場合や懐に入ってくるイベントが発生したら、キャッシュフロー計算書に記載する必要があります。
主に3つのお金の流れでキャッシュフロー計算書は表現されております。
営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローです。
いわゆる本業のお金の動きを把握することができる営業キャッシュフローは、物やサービスを販売する時に得たお金や仕入れで出ていくお金を記載します。
投資キャッシュフローは、設備投資や株式の持ち合いなどの投資に関係するお金の流れを記載します。
財務キャッシュフローは、金融機関からの借り入れや借金返済と利払いなどのお金の流れを記載します。
貸借対照表(バランスシート)とは、民間企業の資産の部(借方)と負債の部(貸方)で表される財産残高一覧表のようなものです。
※ちなみに、資産の部(借方)が左側の表で、負債の部(貸方)は右側の表です。
なぜバランスシートと一般的に呼ばれるのかでしょうか。
一般的には、資産の部(借方)と負債の部(貸方)の左右が一致するからという説明がなされるのですが、実は間違いなのだそうです。
なぜならば、お金を取り扱う場面でバランスという用語が使用される場合は「残高」の意味で使用されるからです。
したがって、貸借対照表とは、財産残高一覧表だと認識した方が理解がスムーズになります。
損益計算書とは、民間企業の事業活動による損失と利益を計算したものです。
今回ご紹介する『図解「財務3表のつながり」でわかる会計の基本』では、基本の5つの利益を押さえるべきと主張されています。
売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益です。
その関連に関しては以下の通りです。
損益計算書では、収益と費用をいくつかに区分し、以下の5分類に分けます。
引用元:初めてでもわかりやすい用語集 SMBC日興証券 損益計算書
①売上総利益=売上高-売上原価
②営業利益=売上総利益-販売費および一般管理費
③経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用
④税引前当期純利益=経常利益+特別利益-特別損失
⑤当期純利益=税引前当期純利益-法人税等
※これよりも詳細な勘定項目に関しては拙ブログでは省略します。
損益計算書の当期純利益は貸借対照表の繰越利益剰余金として計上されます。
したがって、利益剰余金とは過去の企業活動でどれだけ利益を得たかという金額です。
営利団体である民間企業としては、利益剰余金(繰越利益剰余金を含む)の増加は当然と言えます。
そういった関連性があるので、財務3表を一度に理解した方が会計に関する理解は深まると言えます。
売掛金と買掛金の関連性を速攻理解できる
最後になりますが、個人的に一番勉強になった事柄を『図解「財務3表のつながり」でわかる会計の基本』より紹介したいと思います。
それは、売掛金と買掛金が同時発生した場合の財務3表の変化です。
詳細に関しては『図解「財務3表のつながり」でわかる会計の基本』の内容を確認していただければと存じます。
拙ブログにおいては簡単にご紹介します。
民間企業が物やサービスを仕入れて販売する場合、現金で決済するのではなく、買掛で仕入れて売掛で販売することがあり得ます。
買掛とは、簡単に説明するならば、物やサービスを購入したが将来時点でお金を支払うことです。
売掛とは、簡単に説明するならば、物やサービスを売却したが将来時点でお金を受け取ることです。
要するに、物やサービスを受け取ったり、引き渡したりする段階でお金は動いてはいないという商売形態のことです。
仮に、買掛で200万円分の原料を調達し、売掛で商品を400万円で売却した場合を考えましょう。
貸借対照表(バランスシート)としてはどのように記載されるのでしょうか。
以下のようになります。
貸借対照表としては資産の部と負債の部の差を純資産の部として計上します。
この取引の場合は、売上金額と仕入れ金額の差額を繰越利益剰余金と表現します。
キャッシュフロー計算書としては何も計上せず(※注1)、損益計算書としては売上高400万円増加の売上原価200万円増加として計上されます。
※注1:直接法と間接法で表記が違うらしく、間接法のキャッシュフロー計算書ではこの場合も計上するそうです。
したがって、貸借対照表の繰越利益剰余金は売掛金といった形態でも資産として計上されているのです。
過去の利益の総和である利益剰余金(繰越利益剰余金を含む)は、現金、預金、売掛金、固定資産などの様々形態でストックされていることになります。
利益剰余金を内部留保と呼び、課税するというのは民間企業にとって害悪と言えるでしょう。
なぜならば、仕入れのためのお金や企業活動をするための固定資産にも課税されるわけですから本業の邪魔になるからです。
総合評価★5つ
『図解「財務3表のつながり」でわかる会計の基本』の総合評価としては間違いなく★★★★★です。
終盤においては実際の企業の財務状態を説明しており、わかりやすいことこの上ありません。
それでも私個人としては100%理解したわけではありません。
しかしながら、現代貨幣理論を学ぶ上での最低限の知識は得られるのではないでしょうか。
最後になりますが、ご購入をお勧めします。
以上です。