
大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2019年6月14日(令和元年6月14日)
本日の記事は設備投資に関する基本的な記事になります。
私は日本でも指折りの積極財政派ですが、公共投資を増やすだけでは片手落ちであると考えております。
民間企業の設備投資を増やすべきだと考えております。
その理由についてまとめてみました。
1、短期的には需要が増える
私は日本経済を強く、豊かにするためには設備投資を増やすべきだと考えます。なぜならば、日本経済において、物やサービスを効率的に生産し、資源の効率的な利用のためには設備投資が必要だからです。
旧式の生産設備のまま生産を継続するよりも、最新式の生産設備を導入して生産を開始した方がより多くより質の高い生産になることは自明です。
設備投資を増やすということは短期的には需要が増えることになります。
例えば、おにぎりを生産する企業が生産機械を増やしたり、最新の生産機械に入れ替えたりしようとする場合を考えましょう。
話がややこしくなるので、おにぎりを生産する企業を「おにぎり生産企業」と呼び、おにぎり生産機械そのものを製造・開発している企業を「量産機械企業」と呼びます。
この場合、「おにぎり生産企業」が「量産機械企業」に対して「おにぎりを効率的に生産するための機械を購入したい」と打診します。
それを受けて「量産機械企業」が最新式のおにぎり生産機械を納入するわけです。
もしかしたら、新規に開発するかもしれませんし、既存の生産機械を「おにぎり生産企業」に合わせて改善するかもしれません。
いずれにしろ「量産機械企業」としてはお仕事が増えますし、売上も増えます。需要が増えます。
このような現象が日本全国で活発化したらどうなるでしょうか。
景気が良くなるとは思いませんか。
しかも、投資が投資を呼ぶということもあり得ます。
例えば、上記の例で申し上げると「量産機械企業」が儲かります。労働者の作業効率を上げるため、作業場にPM2.5を除去できる最新式のエアコンを設置しようとします。
それもまた設備投資になります。
そしたら、「量産機械企業」に対してエアコンを納入する町の電気屋さんが儲かるわけです。
物やサービスが売れないデフレ状態において、設備投資が増えるというのは良いことであり、デフレ脱却の手助けになります。
2、 長期的には供給が増える
設備投資が増えることにはさらなる利点があります。長期的には供給が増えます。
簡単に言えば、より多く、より効率的に物やサービスを生産することができます。
「おにぎり生産企業」が「量産機械企業」から購入した最新式のおにぎり生産機械を自社工場において導入した場合を考えます。
今まで、1時間に5000個しか生産できなかったのに、最新式のおにぎり生産機械を導入したら、8000個生産できたとしたら、生産性の向上となります。
言い換えるならば、非効率的生産が改善したということになるのです。
国家経済とは個々の企業の生産の集積なので、日本経済という国家経済全体の供給能力が向上します。
急な需要増大にも対応できる強靭な経済になります。
日本経済全体において、どんどん効率的な生産が増えれば、供給が増え、デフレ脱却した後の急激なインフレを抑えることが可能となります。
したがって、設備投資を増やすということはデフレ対策とデフレ脱却後のインフレ対策になるのです。
さらに付言すれば、設備投資の増加は民間企業の国際競争力の強化であると言えます。
なぜならば、他国の市場へ参入して、物やサービスを売り込むためには、安価で高品質な物やサービスを可能な限り費用を抑える必要があるからです。
したがって、政策的判断として輸出を増やして雇用を創出したいと考えるのであれば、設備投資を増やすことは有効であると言えるでしょう。
3、日本国内に資本を定着させることができる
グローバリズムを「人、物、お金が国境関係なく自由に移動できるという状態が望ましいとする思想」と定義します。
様々な定義が存在すると思いますが、特に経済という観点からは一番正確だと思いましたので以上のように定義させていただきました。
現在のようにグローバリズムが進行した世界経済においては、資本というのは国境という壁を乗り越えて自由に移動してしまいます。
例えば、我が国日本において、設備投資を増やすために金融緩和しても、新規投資需要が存在しないし、自由な資本移動が可能なので、日本国内に投資されず、アメリカに投資されてしまうということがあり得ます。
現在のようなグローバリズムが進行した世界経済おいて、資本とは気まぐれな野うさぎのようなものです。
国家意思とは無関係にピョンピョン跳ねて、制御できません。
儲からないとなったら、すぐに逃げてしまいます。
日本銀行が日本国内の民間金融機関にお金を供給しても、設備投資や産業育成に利用されるとは限らないのです。
※日銀が買いオペをしても、民間金融機関の日銀当座預金の通帳のお金が増えるだけなのです。
しかしながら、それは本質的にはおかしいことなのです。
日本国内の金融機関に貯蓄されているお金は日本国民が必死に働いて蓄積してきたものです。
日本銀行が日本国内に供給するお金も日本国民のために、お金を供給しているのです。
したがって、国内金融機関が保有するお金は日本国民のために利用されなければなりません。
現実には、日本国民のために利用されず、発展途上国に投資されます。
アメリカに投資されます。
欧州各国に投資されます。
金融派生商品に投資され、マネーゲームの原資となります。
穀物市場や原油市場に流入し、穀物価格や原油価格が高騰して、日本国民を困らせたりします。
お金が正しく活用されないために、困った事態を引き起こします。
設備投資を増やすということは、日本国民のために資本を有効活用するということであり、日本国内に資本を留めることでもあります。
設備という実物に投資している以上、状況が悪いとなってもすぐに逃げるということはできません。
設備投資を増やすことは、単なる資本を国民資本へと変貌させることです。
日本国民の日本国民による日本国民のための資本とするということです。
資本の流出によるデメリットを軽減し、資本の有効活用のためにも、積極的に設備投資を増やすべきなのです。
日本政府が設備投資を増やすために大胆な施策を実行すれば、グローバリズムへの反逆の狼煙となるでしょう。
以上です。
情報発信を頑張りますので、何卒よろしくお願い致します。