大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2019年5月20日(令和元年5月20日)
日本の未来を考える勉強会でMMT
本日も「日本の未来を考える勉強会」にて三橋貴明氏(以下敬称略)がMMT(現代貨幣理論)を国会議員向けにお話した件をできるだけわかりやすく説明する記事でございます。
その第二弾になります。
経済学の素養がない一般の日本国民向けに、できるだけわかりやすく現代貨幣理論を説明してみようという試みです。
YOUTUBEにて動画配信されておりまして、私もじっくりと自宅にて視聴しましたが、頭の中がすっきりした思いでございます。
参考動画:「日本の未来を考える勉強会」ーMMTポリティクス〜現代貨幣理論と日本経済〜ー令和元年5月17日 講師:経世論研究所 所長 三橋 貴明氏
2、全ての経済は生産と需要について実物的あるいは環境的な限界がある
本日は現代貨幣理論の基礎としまして、2つ目。
全ての経済は生産と需要について実物的あるいは環境的な限界があるという点について簡単に説明しようと思います。
前日の記事にて、説明しました通り、我が国日本は財政的な制約がないと断言しました。
そうであれば、政府が無限に国債を発行し続け、公共投資できるのではないかと思う方もいらっしゃると思います。
また、自国通貨を持つ政府は財政的な制約がないという事実から、無限に国債を発行してもよいと主張している理論であると主流派経済学者から批判されています。
現代貨幣理論は無限に国債を発行し続けて、お金を支出してもよいと主張している理論ではありません。
その限界に関しても説明しており、それが2番目の原則なのです。
要するに、その国家が保有する供給能力を超えて政府が国債を発行し、お金を支出すると、インフレになってしまうため、政府は無限にお金を支出することができるわけではないということです。
例えば、日本政府が500兆円の公共投資を1年以内に行って、全国の老朽化した橋、道路、堤防を修繕したらどうなるでしょうか。
少なくとも、50%を超えるインフレになってしまうでしょう。
さすがに、適正なインフレを超えてしまうという事態になるため、非現実的であると言えます。
また、民間企業の供給能力にも限界があります。
日本政府から「高速道路を作って」と依頼されたとしても、人がいないし、資材も足りないから無理ですと断ることもあり得るわけです。
以上を踏まえて、図で表したのが以下になります。
労働市場において、労働者がいないから、企業が雇用を生み出せず、供給能力を向上させることができない。
資材価格が高騰しているため、潤沢な現預金を保有している企業以外は資材を調達することができない。
人も資材も揃えることができたけど、災害によりインフラが崩壊し、現場に必要な人手と資材を届けることができない。
これらは経済における生産や需要についての実物的あるいは環境的な限界があるということです。
現代貨幣理論は、現実の経済をできるだけ正直に説明しようとしているだけといえます。
民間企業の生産性向上を促す必要がある
三橋貴明は、民間企業の供給能力を重視しているエコノミストです。
公共投資においても、過度のインフレにならない金額の公共投資をできるだけ継続的に行えと主張しています。
継続的な公共投資は民間企業の見通しを明るくさせ、設備投資や生産性向上に前向きになり、供給制約を突破できるからという主張です。
新たなクレーンとトラックを購入し、AIを搭載したドローンで測量すれば、生産性はめちゃめちゃ高まるでしょう。
確かに、継続的な公共投資、例えば、20兆円の公共投資を毎年追加的に実行すれば、民間企業の生産性は向上し、公共投資してもインフレになりにくい体質に変化するでしょう。
土木関係の企業の雇用と所得が増えることは確実だと思います。
ただ、それだけでよいのでしょうか。
継続的な公共投資を実行するだけでは不十分なのではないか。
それが、三橋貴明と私の決定的な違いなのです。
私は継続的な公共投資だけでは不十分であり、民間企業への設備投資減税、設備投資補助金、法人税の累進課税化が必要であると考えています。
詳細は拙著『ビジネスの種を蒔け』で語っておりますので、ここでは簡単にご紹介することにします。
1、設備投資減税
つまり、設備投資をして、供給能力を向上させた企業に対しては減税します。
これは今まで、経済産業省が設備投資を増やすために行ってきた税制上の特例に該当します。
土木関係や公共投資関係企業だけに設備投資を増やしてもらうのではなく、日本国内の設備投資を底上げするため、減税します。
2、設備投資補助金
基本的には1と同じなのですが、減税だけでなく補助金を与えてしまえということになります。
もし、設備投資減税対象となり、補助金も貰えるならば、一石二鳥です。
3、法人税の累進課税化
法人税は中小企業と大企業において、税率が異なりますが、基本的には売上や資本金などで区別されておらず、一律税率になっています。
本来ならば、儲かっており、利益を多く出した企業から税金をより多く徴収するべきですが、制度上そうなってないのです。
まずは、大企業に対して法人税を5%から10%程度引き上げたのちに、法人税全体を累進課税にするべきです。
資本金が多い企業には税率を高めましょう。
法人税を払いたくない企業は積極的に設備投資して、設備投資減税と設備投資補助金を貰えるようにしなければなりません(笑)
・・・最後は政策論になってしまいました。
繰り返しますが、現代貨幣理論は現実を正直に説明しているというだけです。
ほとんどの報道は現代貨幣理論はトンデモ理論だと一方的に批判しています。
なぜ批判が出てくるのかと言えば、現代貨幣理論の原則の2つ目を理解していないか、意図的に無視しているかのどちらかです。
(明日に続く)