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反逆する武士

現代貨幣理論

ジェームズ・M・ブキャナン『赤字の民主主義』を読む。購入価値なし

更新日:

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2019年7月1日(令和元年7月1日)

MMT(現代貨幣理論)国際シンポジウムへ参加

まずは、ご報告させていただきます。
反逆する武士

uematu tubasaは、MMT(現代貨幣理論)国際シンポジウムへ参加することが決定しました。

あまりの人気で、キャンセル待ちが発生しているとのこと。
以下は経営科学出版側からいただきましたメールを一部ご紹介したいと思います。

この度は、ケルトン教授シンポジウムへ
ご応募いただき、誠にありがとうございました。

応募がメイン会場の定員を超え、
抽選をさせていただいた結果、
【パブリックビューイング会場】
ご案内させていただきたく
ご連絡差し上げました。

メイン会場をご希望されていたようであれば
ご希望に添えず、申し訳ございません。

当日のご参加をスタッフ一同
心よりお待ちいたしております。

※当日のご参加が難しくなられた場合には、
 最下部に記載しております
 カスタマーサポートへご連絡をお願いいたします。
 キャンセル待ちのお客様へご案内させていただきます。

経営科学出版からの返信より一部抜粋

さて、ご報告は以上とさせていただき、本題に入りたいと思います。

ブキャナン『赤字の民主主義』を読むきっかけ

この度、ジェームズ・M・ブキャナンの『赤字の民主主義』を読みまして、その感想を本記事にで発表したいと思います。

なぜ私が ジェームズ・M・ブキャナンの『赤字の民主主義』 を読むことになったかと申しますと、理由が2点ございます。

1、ジェームズ・M・ブキャナンの孫弟子だと判明したから
2、財政民主主義とは何か知りたかったから

まず、1点目なのですが、ジェームズ・M・ブキャナンがノーベル経済学賞を受賞した経済学者であり、著名な経済学者であることは存じておりました。

その人物像を調べるうちに、複数の日本人経済学者とも親交があったということが判明し、その中の一人が私の恩師だったのです。

私はジェームズ・M・ブキャナンの孫弟子だったということになります。
私自身はケインジアンではありませんが、財政出動に積極的なので、アンチ・ブキャナンという立ち位置です。

アンチ・ブキャナン派として、ブキャナンの著作を読んだことがないのに批判はできないと思ったため、Amazonでブキャナンの著作の一般書を読むことにしました。

2点目なのですが、三橋貴明氏(以下敬称略)のブログで、財政民主主義ということに触れたブログ記事があり、財政民主主義に関して調べてみたいと思ったからです。

参考記事:財政民主主義派 対 非・財政民主主義派(前編)
財政民主主義派 対 非・財政民主主義派(中編)
財政民主主義派 対 非・財政民主主義派(後編)

現代貨幣理論への批判として、ブキャナンの主張と全く同じ主張が飛び出てきたのです。

簡単に説明すると『議会制民主主義においては、政府支出を決める国会議員は有権者の意向に逆らうことが難しいため、財政支出の削減や増税は決断しにくく、政府支出の増大を認めてしまうと、歯止めが効かなくなる

ということのようです。
したがって、政府支出の増大を認めてしまうとハイパーインフレーションになるという主張のようなのです。

※あまりにもトンデモ主張ですが、まずはこのまま話を進めさせて下さい。

ブキャナン『赤字の民主主義』を読んだ感想

一言で、 ジェームズ・M・ブキャナンの『赤字の民主主義』 を読んだ感想は「何を主張しているのか、あまりわからず、買って損した」でした。

私のように、経済学者の著作をそれなりに読み込んでいる人間でも解読するのが難しいほどでした。

結局のところ、何を言いたいのか理解できませんでした。
※何回か読んで、理解したところを本記事にてご紹介したいと思います。

あまりにも悪文過ぎて、他人にはお勧めできない著作です。
率直に申し上げて、購入するべきではありません。

ジェームズ・M・ブキャナンの『赤字の民主主義』の最後には慶応義塾大学経済学部教授の土居丈朗氏(以下敬称略)が解説しているのですが、それも悪文過ぎて理解が難しいです。

一般人を見下している文章と言って差し支えないと思います。

ブキャナンの主張としては、以下に要約することができます。

1、財政均衡主義へ回帰せよ(改宗せよ)

2、議会制民主主義国家において、財政赤字は不可避なので、財政均衡主義を憲法に書き込み、民主主義をルールで制限せよ

3、財政赤字が発生すると、クラウディング・アウトが発生する

まず、1に関して説明します。
ブキャナンは財政均衡主義の破棄を主張するケインジアン(ケインズの主張を引き継ぐ者たち)を口悪く批判します。

百歩譲って、それ自体は良しとしましても、なぜ財政均衡主義に回帰しなければならないのかという理由を明確には提示しようとしません。

理由も提示せず、財政均衡主義に回帰せよと主張しています。
※私が思うに、財政均衡主義に回帰しなければならぬ理由は、クラウディングアウトを怖れてのことかと思います。

赤字の民主主義』 の前半部分は、財政均衡主義に回帰しなければならない理由が明確ではないため、全く理解できぬまま話が続いてしまいます。

論文の書き方として、書籍の書き方として、落第点であると断罪せざるを得ません。

まるで、エセ司祭がケインズを異端審問しているかのようですし、ある意味での魔女狩りのような狂気じみたものを感じます。

2に関して説明します。

ブキャナンは、議会制民主主義国家において、国会議員は有権者からの減税要求や政府支出要求に抗うのは難しいため、財政民主主義を制限せよと主張します。

財政民主主義の否定ではなく、財政民主主義の制限であるところに注意することになります。

財政民主主義の否定とは、議会で財政について決めることそのものの否定であり、財政民主主義の制限とは、議会で財政について決めることは認めつつも、それよりも上位のルールで制限するべきという考えと解釈できます。

極めて重要な箇所を 『赤字の民主主義』 から一部引用しましょう。

有意義な真の財政改革を進めるには、しっかりと確実に二つのステップを踏む必要がある。
まず、実効性のある憲法上の規定が必要だとはっきり認識すること、それが最初のステップだ(具体的にどのようなルールを、かなり広い範囲の中から絞り込むかはとりあえず措く)。
民主政治の海に予算を漂流させておくわけにはいかない。
予算編成に一定の制約を課し、年度予算の規模と配分に関する個々の決定に外枠をはめ、決定に一貫性を持たせる必要がある。
選挙で選ばれる政治家は、有権者と官僚の声に配慮せざるを得ない。
そうした政治家が絶えざる要求――――公共支出の便益フロー拡大と課税水準の引き下げ――――に歯止めをかけるには、外から規定する「上位」ルールを利用する必要がある。

赤字の民主主義』 pp335より一部抜粋

悪しきエリート主義を隠したりすることはない点においては見事という他ありません。

愚民への見下し方が半端ではありません。
しかも、それに正当性があるとしっかり理由を提示することができれば理解できなくもないのですが、そうでもないわけでして。

民主主義への反逆としか思えず、とても賛同はできません。

3について説明します。
ブキャナンは財政赤字はクラウディング・アウトを引き起こすと主張しています。

こんな例で説明しよう。
国内に九〇〇億ドルの貯蓄があり、財政収支が均衡しているとする。
この場合、民間の借り手(投資家)がすべての貯蓄を利用できる。
これが、財政赤字が七〇〇億ドルあった場合はどうだろう。
政府の借り入れに伴う金利の上昇で、民間貯蓄が一〇〇億ドル増え、総貯蓄が一〇〇〇億ドルになったとする。
ただ、このうち七〇〇億ドルは財政赤字の穴埋めに使われる。
民間の投資家に残されたのはわずか三〇〇億ドルだ。
財政収支が赤字になり、通貨の増発で赤字をまかなわない場合(赤字のマネタイゼーションを行わない場合)、民間の資本形成は六七%減ることになる。
この例では、財政赤字によって六〇〇億ドルの民間投資が締め出しを食らった計算になる。

赤字の民主主義』 pp138より一部抜粋

上記においては、民間の借り手(ブキャナンは投資家と明記)に資金需要があることを仮定してのお話のようです。
典型的なクラウティング・アウト論です。

まず、反論させていただくと、財政赤字を国債発行で賄う場合、貯蓄(民間金融機関の預金)が減るわけではありません。

我が国日本においては、日銀当座預金の変動があるだけであり、民間銀行の預金が減るわけではないのです。

民間銀行の預金はむしろ増えます。
下記の図で、銀行預金は増えるわけです。

また、財政赤字により国債の利回りが増えるわけでもありません。

長期金利とは、 新発10年物国債利回りですから、どんどん下がってます。

さらに申し上げれば、銀行は預金額を上限として融資を行っているわけはありません。

万年筆マネー(キーボードタッチ・マネー)がございます。
銀行は、金融システムにおいて、融資額をキーボードタッチするだけで、預金を生み出すことができます。

したがって、民間の借り手に資金需要があり、借金を返済する意思と経済力さえあれば、民間金融機関はお金を融資します。

参照URL: https://www.bankofengland.co.uk/-/media/boe/files/quarterly-bulletin/2014/money-creation-in-the-modern-economy.pdf?la=en&hash=9A8788FD44A62D8BB927123544205CE476E01654

結論から申し上げれば、ブキャナンはいろいろ間違え過ぎているのです。
もちろん、1970年代のことを中心にお話が進みますので、あまりにも古臭い議論になるのは仕方ないとは言え、間違ったことを主張してはいけないでしょう。

以上です。

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