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反逆する武士

国家安全保障 国際情勢

アメリカの核戦略が見直され、フィリピンとの同盟関係は維持されます

投稿日:

フィリピン

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2021年8月6日(令和3年8月6日)

余談ではございますが、熱中症にお気を付けてください。
私は軽い熱中症になりまして、体調を崩してしまっております。
塩分多めの食事とにんにくとお酢の力を借りて頑張りたいと思います。

アメリカのバイデン政権は小型核戦力を縮小する

バイデン米政権は核兵器政策の見直しを2022年初めにも完了する方針だ。
トランプ前政権は小型核兵器の開発・配備を進めたが、小型核の配備拡大は核戦争のリスクを高めかねないとの懸念があり、縮小を検討する。

引用元:米「小型核」縮小検討 中ロ軍縮見極め、22年初にも判断

バイデン政権は核戦略の見直しを2022年初めにも完了する方針のようです。
どうやら、トランプ大統領の小型核兵器の開発・配備方針の転換を検討する模様です。

小型核兵器は核攻撃の撃ち合いにエスカレーションする可能性が高いため、縮小した方がいいのではという方向になっているようです。

私は核戦略を本格的に研究している人間でございますので、核兵器大国アメリカの動向に関しては興味関心がございます。

本記事においては、小型核兵器の配備・運用という点をどのように評価・検討するべきなのかという点にも触れながら、私個人の意見も述べさせていただければと存じます。

まず、小型核兵器は核分裂反応に伴う爆発力を控えめにして、戦闘地帯や敵の軍事基地だけを攻撃でき、いわゆる局地戦に対応できます。

一般市民の犠牲を回避しやすいとされ、「使いやすい核兵器」との見方もございます。
だからトランプ大統領は小型核兵器の開発・配備を推進した面もございます。

ただ、それは通常の大陸間弾道ミサイル(ICBM)での戦略爆撃(ある都市を殲滅するなど広範囲)と比較した場合であり、小型核兵器とは言え、放射線は出ますし、通常兵器よりも破壊力は大きいと言えます。

そうなると、小型核兵器での攻撃を受けた国家が核攻撃を受けたと認識して、同等の報復核攻撃に踏み切る可能性が高まり、それが報復の連鎖を生むかもしれません。

そのため、小型核兵器は使いやすいと言っても、核兵器を保有していない国家との戦争に使いやすいのであって、核武装国家との戦争に使いやすいわけではありません。

特定地域での放射性物質汚染が深刻となり、広範囲の国家に迷惑を掛けることになるかもしれず、アメリカの長期的な国益に合致するとは思えません。

さらに言えば、潜水艦発射型の弾道ミサイルや巡航ミサイルでの運用となりますので、巡航ミサイルや弾道ミサイルを多数製造、保有、管理しなければなりません。
もちろん小型核弾頭の保有と管理は必須です。

軍事資産の効率的運用という面からは望ましいとは言えないでしょう。
そんなことをするくらいなら、潜水艦を増やす、機雷を増やす、無人艦艇を増やすなどの非対称戦に特化した方が様々な状況に対応できます。

私個人としては、戦略核兵器(いわゆる大型核兵器)を国家間の戦争抑止、核抑止として機能させることに集中して、小型核兵器は思い切って切り捨てても良いと考えます。

もちろん、現有戦力を放棄するべきではないので、現時点で保有している小型核兵器は運用するべきですが、これ以上の増強は無駄でしょう。

フィリピンとアメリカの同盟関係が維持される

オースティン米国防長官は30日までの東南アジア歴訪で地域への関与継続を訴え、フィリピンと軍事協定の存続で合意した。
対中国シフトを加速させる米軍は有事の際に西太平洋で部隊を分散させて中国軍に対処する戦略を描く。

引用元:米、対中国シフト急ぐ フィリピンと軍事協定の存続決定

アメリカの対中封じ込み政策でフィリピンとの同盟関係が維持されるのか否かが焦点だったのですが、フィリピンとの「訪問米軍に関する地位協定」(VFA)は維持されることになりました。

フィリピン国内で合同軍事演習などをするときのアメリカ兵の法的地位を担保するための協定であり、簡単に言えば、現地の法律を把握していないアメリカ兵がうっかり犯罪行為をしてしまったときに、アメリカ兵の身柄を守る協定です。

アメリカは、憲法上の制約からフィリピン国内に基地を設置できないという事情もあるため「訪問米軍に関する地位協定」 を締結していました。

フィリピンのドゥテルテ大統領の側近について、米国が入国ビザの発給を拒否したことなどから、対抗措置として 「訪問米軍に関する地位協定」 破棄を表明して、実行には移さないという危うい情勢が継続していたのです。

私個人としてはアメリカの同盟政策が東南アジアで連鎖的に崩壊する可能性もあると危惧しており、拙ブログでも取り上げておりました。

参考記事:フィリピンとアメリカの訪問軍地位協定の破棄が保留となり関係が維持
参考記事:アメリカとフィリピンの訪問米軍地位協定が破棄。中国が大喜びだろう

VFAは米軍のフィリピン国内での法的地位を定め、消滅すると米軍がフィリピンで活動できなくなる恐れがあった。

引用元:米、対中国シフト急ぐ フィリピンと軍事協定の存続決定

とりあえず、アメリカ軍がフィリピン国内で活動できなくなるという心配事は解消されたようです。

日本とフィリピンが相互訪問軍協定を締結するべきだ

フィリピンは国内において、軍事基地の提供を禁止しているため、豪比相互訪問軍隊地位協定のような協定を結ぶことで同盟関係を構築してきたようです。

簡単に言えば、安全保障上の関係強化を図るために、正式に国家間で協定を結ぶべきという考えがあり、それが具現化されたもののようです。

安全保障上の関係強化に伴う摩擦を最小限に食い止めようという強い決意の下、外国の基地に頼らず、外国との連携を強化するという覚悟が感じられます。

我が国日本が対中牽制のためにフィリピンとの同盟関係まで踏み込むとなると、何らかの協定を結ぶ必要がございます。

何の協定も結ばず日本とフィリピンの連携を強化し、日本の自衛隊を受け入れるのは困難です。
フィリピンの国内事情などにも配慮は必要でしょう。

上記に挙げた規定以外にも、豪比相互訪問軍隊地位協定は秘密情報の保全規定、環境保護規定などが定められております。

率直な感想は「フィリピンはすげーな!!!」というものでした。

オーストラリア相手にここまで平等で対等な協定を締結できるというのは素晴らしい外交手腕です。

私も、翻訳された豪比相互訪問軍隊地位協定(正式には オーストラリア政府とフィリピン共和国政府との間の各々の領域を相互に訪問する軍隊の地位に関する協定(豪比相互訪問軍隊地位協定) 

Agreement between the Government of Australia and the Government of the Republic ofthe Philippines concerning the Status of Visiting Forces of Each State in the Territory ofthe Other State

の全文を読破しましたが、特に問題になりそうな条文はありませんでした。

もし、我が国日本とフィリピンが相互訪問軍地位協定を結ぼうとなったら、豪比相互訪問軍隊地位協定を議論の出発点として、日本とフィリピンの国情に合わせた改訂がなされるのではないかと推察します。

しっかりと考え抜かれているので、オーストラリアを日本に変換するだけでもいいと思います。

あえて難点を挙げるとすれば、議会の承認が必要なので、議論が始まってから発効するまで時間がかかるということです。

2007年5月31日キャンベラにて署名されてから、2012年9月28日発効となりました。
約5年という時間が経過しております。

これは有事に間に合わないのではと思うのです。

もちろん、議会の承認が必要な国家間協定ですから、仕方ないことですが、何とか時間を短縮する手段を考えるべきではないかと。

以上です。

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