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反逆する武士

現代貨幣理論

需要が増大した結果のインフレは労働価値向上だから忌避するのは違う

投稿日:

現代貨幣理論の基礎
uematu tubasa著『現代貨幣理論の基礎

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年11月27日(令和2年11月27日)

本日は現代貨幣理論を含みつつ、物価上昇(インフレ)についての論考です。

※コメントをいただき、誠にありがとうございます。
読んではいますが返信する精神的余裕が皆無です。
お時間を頂戴したく、よろしくお願い致します。

インフレには様々な種類が存在する

財政破綻を主張する知識人や現代貨幣理論を批判する人々は「国債を大量に発行して日銀が買いオペをしたらハイパーインフレになる」と主張しています。

ハイパーインフレとは、国際会計基準にて例示された目安のようなものであり「3年間の累積インフレ率が100%に近いか、100%を超えている」状態のことだそうです。

※参考資料:国際会計基準審議会(IASB)会議概要(2015年4月)より

我が国日本はハイパーインフレになるのでしょうか。
今回は結論を急がずに、そもそもインフレはどのような要因によって発生するのかという点を整理します。

インフレとは持続的な物価上昇のことです。
以下に物価上昇の要因についてまとめます。

1、有効需要増大型物価上昇

需要側の原因で生じる物価上昇のことです。
オークションでの価格上昇を想像してもらうとわかりやすいでしょう。

物やサービスが欲しいと言う人(需要)がどんどん膨らむことにより、需要が供給を上回る場合に該当します。

第2次世界大戦後の緩やかな物価上昇がこれに該当します。

2、生産費用増大型物価上昇

供給側の原因で生じる物価上昇のことです。

物やサービスを生産する際、資源価格の高騰等による生産費用増大が発生した場合に該当します。

民間企業の自助努力ではどうにもできない場合に、物やサービスの価格へ上乗せされてしまいます。

我が国日本でも「狂乱物価」と言われる時期もありました。
原油価格が高騰してしまったために、トイレットペーパーの買い占めなどが発生しました。

3、紙幣乱発型物価上昇

紙幣の過度な発行によって、通貨の価値が大幅に下落してしまった場合に該当します。

通貨価値の大幅な下落が一般物価の大幅な上昇の引き金になってしまったのです。

第1次世界大戦後のドイツや西暦2000年以降のジンバブエが該当しました。

4、供給能力低下型物価上昇

災害等による物流の寸断、生産設備の老朽化、戦争による生産設備の破壊、物やサービスを供給するための土地が消失、民間企業から人材が離れて物やサービスが生産できない場合に該当します。

物やサービスを生産するのに必要な原材料を調達する資金の欠如などといった理由により物価が上昇します。

生産するための費用が増大したのではなく、物やサービスを生産できない、供給できないという状況によって発生するインフレです。

この場合にも、第1次世界大戦後のドイツや西暦2000年以降のジンバブエが該当しました。

ハイパーインフレになった国家として第1次大戦後のドイツとジンバブエは有名です。

この2つの国家は紙幣乱発型と供給能力低下型の混合によりハイパーインフレになりました。

ジンバブエのハイパーインフレは紙幣乱発と土地改革の失敗による供給能力低下が原因なのです。

参照URL:http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/zimbabwe/data.html

第1次世界大戦後のドイツのハイパーインフレは、敗戦による膨大な賠償金の支払いのためマルク紙幣を乱発し、ドイツ最大の工業地帯ルールを占拠されたことが原因なのです。

つまり、供給能力が極めて脆弱となり、中央銀行が自国通貨を大量に刷らない限り、ハイパーインフレにはなりません。

我が国日本においては、戦争状態に突入し、民間企業の供給能力が激しく毀損することになれば、瞬間的にはハイパーインフレになるかもしれません。

第二次世界大戦後にも、一時的に500%を超えるインフレになったことはございますが、すぐに収束しました。
戦後の混乱が沈静化して、民間企業の供給能力が回復したからです。

現代貨幣理論の提唱者に聞きたいこと

需要増大型物価上昇(いわゆるディマンドプルインフレのこと)が発生する場合を前提として、現代貨幣理論の提唱者(ステファニー・ケルトンやレイなど)に聞きたいことがございます。

インフレとは制約なのでしょうか。
それとも目標なのでしょうか。

私個人の意見を申し上げるのであれば、需要増大型物価上昇であるならば、制約にも目標にもなり得るのではないかと考えます。

政府支出を増やし、減税を行い、民間企業の設備投資や家計の消費行動などを誘発して、需要が増大して供給を上回ることになれば、当然のことながら、物価は上昇します。

物価が上昇するということは、民間企業などによる物やサービスの価値が上昇するということであり、労働の価値が上昇するということでもあります。

真面目に働いて、生産性を高め、需要に対して適切に物やサービスを提供した人間がより豊かになるというのは資本主義社会にとって誠に望ましいことです。

したがって、需要が増大することによって生じるインフレに関しては目標と定めてもいいのではないかと思います。

ただ、一方においては、インフレとは制約でもあります。
政府支出を増やし、減税を行うことによって10%以上もインフレが加速してしまったら、労働していない人間の経済的困窮度合が深刻化してしまいます。

例えば、幼い子供を抱えてフルタイム勤務ができないシングルマザーや高齢者、何らかの精神疾患を抱えてしまった方などです。

我が国日本において社会保障はございますが、そこまで機動的に直接給付するような制度は、少なくとも現時点ではございません。

経済政策を実行して、経済的に困窮してしまう方を増やすのは、本末転倒でございますので、インフレとは制約でもあります。

現代貨幣理論の提唱者に聞いてみたいです。

インフレは何%が望ましいのか

さらに現代貨幣理論の提唱者に聞いてみたいことがあります。
需要増大型物価上昇が発生することを前提とするならば、何%のインフレが望ましいと考えているのでしょうか。

また、どのような指標をインフレを測定するための指標として定めるべきなのでしょうか。

私はコアコアCPI(食料[酒類を除く]及びエネルギーを除く消費者物価指数)とGDPデフレーターが、我が国日本の物価水準を測る指標として適切だと考えます。

耳慣れない方も多くいらっしゃると思いますので、まずはコアコアCPIについて説明します。

物価の平均的な変動を測ることを目的に全国の世帯が購入したモノやサービスの価格を指数化した「消費者物価指数(CPI)」の一つで、天候や市況など外的要因に左右されやすい食料(酒類を除く)とエネルギーを除いて算出した指数の俗称。
米国など海外諸国では物価の基調を把握するために同指数が利用されており、国内でも徐々に注目されるようになった。
CPIには同指数のほか、全体を示す「総合指数」、値動きが激しい生鮮食品を除いた「コアCPI」と呼ばれる指数の3つがあり、総務省が毎月、公表している。

参考URL:https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ko/A02277.html

ここで疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
なぜコアコアCPIが物価水準を測る指標として適切なのかと。
CPIではなぜ駄目なのかと。

コアコアCPIとは一般消費者が購入する商品の価格変動を表す消費者物価指数から、食料品とエネルギーを除外した値となります。

まず、食料品の価格変動を除外するのは、天候不順による作物の不作や食料市場に対する短期資本流入による急激な価格変動を除外する必要があるからです。

次に、エネルギーを除外するのは、我が国日本は石油や天然ガスなどのエネルギーを海外から多く輸入している以上、石油や天然ガスなどのエネルギーの国際価格によって多大な影響を受けます。

つまり、食料品とエネルギーは国内の景気や経済状態以外の要因で価格変動することが多いのです。

したがって、雇用や所得が変動することにより、消費が変動し、一般物価が変動します。

その変動を客観的な数字で理解する指標として、コアコアCPIが妥当だと思うのです。

コアコアCPIは消費者物価指数の一種です。
何らかの経済政策の効果が一般消費者まで届いているかどうか、その影響で消費が増えたのか減ったのかを客観的な数字で理解する必要がございます。

例えば、公共投資を増やしたとしましょう。

果たして、公共投資が民間企業の所得を増やしたのでしょうか。
そして、その民間企業の所得が従業員の給与に反映されたのでしょうか。

新規雇用された従業員が増えたのでしょうか。
最終的には、従業員の消費が増えたのでしょうか。

これらを日本全国というマクロ的観点からどのようになっているのかを判断する指標が必要です。
それがコアコアCPIなのです。

それでは物価水準を測るためのもう一つの指標であるGDPデフレーターに関してご説明します。

物価動向を把握するための指数の一つ。
GDP算出時に物価変動の影響を取り除くために用いられる。
名目GDPを実質GDPで割ることによって算出される。
GDPデフレーターは消費だけでなく、設備投資や公共投資なども含めた国内経済全体の物価動向を表す包括的な指標とされる。
GDPデフレーターが上昇すればインフレ圧力が高く、逆に下落すればデフレ圧力が強いことを示す。
ただし、GDPデフレーターは、国内生産品だけを対象としており、輸入品価格は反映されていない。

参考URL:https://www.nomura.co.jp/terms/japan/si/gdp_deflator.html

つまり、GDPデフレーターは消費者物価だけでなく、設備投資や公共投資といった国内経済全体の物価動向を表す包括的な経済指標であり、輸入品価格は反映されていない経済指標であると言えます。

以上を踏まえて申し上げますが、GDPデフレーターとコアコアCPIが毎年4%以上の上昇する状態が続くのが一番望ましいと考えます。

なぜ実質的にインフレ率が4%以上の状態を目指すべきと主張しているかと言いますと、私は一般物価の数値目標に関して日本政府が掲げているインフレ率2%は低過ぎるのではないかと考えているからです。

理由としましては、今までのデフレ・スパイラルによって貧しくなってしまった分を取り戻すためです。

平成バブル崩壊以後の日本経済の停滞状態を指して「失われた30年」と言われています。この「失われた30年」を可能な限り早く取り戻すためには2%では不十分なのです。

ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマンも著書の中でインフレ率は4%が一番望ましいと主張されています。

※ポール・クルーグマン著、大野和基訳、山形浩生監修・解説『そして日本経済が世界の希望になる』p113-114より

もう少し噛み砕いて説明しましょう。

インフレ率2%を目指す場合とインフレ率4%を目指す場合を比べたら、どちらの方が日本国民の給料をより増やす政策を実行することになるでしょうか。

常識的に考えたら、インフレ率2%を目指す場合よりもインフレ率4%を目指す場合の方がより早く、より多く給料を増やす政策を実行することになります。

「失われた30年」において、失業や所得の減少という厳しい状況によって失われたお金を可能な限り早く日本国民の手に取り戻す必要があるのです。

現代貨幣理論の提唱者はどのようにお考えなのでしょうか。

以上です。

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