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反逆する武士

日本経済

前年度比10%も設備投資が減少。内部留保よりも設備投資減少が問題

投稿日:

内部留保

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年11月8日(令和2年11月8日)

2019年度設備投資が約10%減少

財務省が30日発表した2019年度の法人企業統計によると、設備投資額は全産業(金融業・保険業を除く)で前年度比10.4%減となった。
前年度(同8.1%増)までは増加が続いていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響などから2桁のマイナスに落ち込んだ。
一方、企業の内部留保は拡大傾向が続き、8年連続で過去最高を更新した。

引用元:19年度設備投資額は前年比10.4%減、内部留保は8年連続増=法人企業統計

財務省は10月30日に発表した2019年度の法人企業統計によると、設備投資額は全産業(金融業・保険業を除く)で前年度比で約10%減少しました。

上記引用元では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でマイナスに落ち込んだということでしたが、それだけではないと思います。

2019年度ということは2019年4月から2020年3月までの統計なのです。
確かに新型コロナウイルスの感染拡大は2020年2月頃から本格的に問題になりましたが、それを民間企業が完全に予測したとは思えません。

世界経済全体が景気後退期に突入したことと、消費増税の影響が大きかったのではないかと推察します。
消費増税の影響を覆い隠す方向の報道のようです。

さらに言えば、上記引用元記事においては、利益剰余金(いわゆる内部留保)が8年連続で過去最高を更新したということですが、当然であり、問題視するべきではありません。

利益剰余金とは現金・預金のことではない

利益剰余金」は全額、現金もしくは預金という形で民間企業が保有しているわけではありません。

財務省の法人企業統計からグラフを作成しました。
ご覧ください。

内部留保,利益剰余金

青色の棒が「現金・預金」です。
オレンジ色の棒が「利益剰余金」です。

2019年度の結果を見ますに、「現金・預金」は220兆円を超えたところですが、「利益剰余金」は確かに約475兆円程度です。

あれれ?おかしいぞ?(名探偵コ〇ンwwww)
少なくとも200兆円の差がありますよ?

経済政策の現状認識という観点から申し上げますと、法人企業の全産業(金融保険を除く)において約475兆円のお金が現金・預金としてあるわけではありません。

利益剰余金をどのように解釈するべきなのか

ここから先は私なりに勉強した結果、利益剰余金をどのように捉えればいいのかという結論を申し上げたいと思います。
※ご指摘いただき、誤っているとわかればすぐに訂正します。

利益剰余金(ストックの内部留保、もしくは狭義の内部留保とされている)は過去において、どれくらい「当期純利益」を積み上げてこれたのかを示す勘定項目です。

当期純利益とは損益計算書で表記される当期純利益のことであるとご理解ください。
参考URL: https://www.freee.co.jp/kb/kb-accounting/bs-and-pl/

簡単に言えば、当期純利益=経常利益+特別利益-特別損失-法人税、住民税及び事業税-法人税等調整額となります。

※参考記事:https://www.mof.go.jp/pri/reference/ssc/results/r1.pdf

したがって、利益剰余金とは企業の内部にどれくらいのお金が貯め込まれているのかを示しているわけではないのです。

どんなに民間企業の「利益剰余金」が多くても、過去の「当期純利益」の分のお金を利用して設備投資などを行っている場合は貸借対照表の「現金・預金」が少なくなります。

なぜならば、設備投資する場合、まず手元の「現金・預金」を活用するからです。

つまり、内部留保=「利益剰余金」とするのは間違いなのです。
あえて、内部留保という言葉をできるだけ実情に合わせた形式で使用するのであれば、内部留保=「現金・預金」と定義した方がよろしいと思います。

ニュースで、内部留保に言及があれば、内部留保の定義をしっかりと見た方がよろしいかと存じます。

利益剰余金を減らす手段とは何か

ちなみに、内部留保を減らす手段は、基本的に①純損失、②自己株取得、③減資の3つに止まる。
「内部留保を設備投資や賃上げに使うべき」との意見は少なくないが、通常、設備投資をしても内部留保は減らない。
また、赤字になるほど人件費を払わない限り、賃上げで内部留保を減少させることもできないのだ。

引用元:見当違いな議論も…企業の「内部留保」、真の問題点

仮に、内部留保を「利益剰余金」と定義するのであれば、内部留保を減らす手段は3つございます。

1、純損失
2、自己株取得
3、減資

純損失に関しては企業が純利益ではなく、純損失を計上してしまったということですので、民間企業の経営継続が危ぶまれます。

自己株取得に関しては投資家が喜びますが(市場に供給される株式が減少するので株価が上昇する可能性が高いため)従業員には還元されません。

減資に関しては、正直よくわからないので調べてみました。

減資とは、資本金の額を減少させる手続きのこと。
株主が出してくれたお金である資本金の使い道がない(余剰金)といった場合には、資本金を決算書上、剰余金としたうえで、株主総会での「減資」の決議により、株主に払い戻したり、累積赤字がある場合に資本金を取り崩して欠損を補てんしたりすることができます。
欠損てん補をした場合、実際にお金が動くわけではなく、決算書上の数字が変わるだけですが、決算書の見栄えをよくすることができます。

引用元:SMBC日興証券 初めてでもわかりやすい用語集

株主への配当や累積赤字の補填などが「減資」になるようです。
株主の懐は温かくなりますし、経営者の保身にも役に立ちますが、従業員の賃金は増えませんし、設備投資に資金を投じることにはなりません。

利益剰余金が減少するということは、株主至上主義に毒された企業が増えてしまったか、損失を計上して企業経営そのものが危うくなっているのか、減資するという資本主義経済にとっては後ろ向きになっているということです。

いずれにせよ、国民経済にとっては好ましくないことが発生しているということです。

設備投資減税が必要である

利益剰余金が増減したかどうかよりも、設備投資が減少してしまったことが本質的な問題です。

設備投資を増やし、民間企業の供給能力を強化するためにはどうするべきなのでしょうか。

まず、第一に、設備投資減税が妥当だと考えます。
設備投資減税とは、大雑把に言えば、設備投資を増やした企業を対象とする減税措置です。

したがって、必ず民間の設備投資という需要が生じる減税なので「減税したけど民間企業がお金を使ってくれなかった(現金・預金として積み上がった、株主への配当に回った、借金返済に回った)」ということがありません。

では具体的に設備投資減税にはどのような方法があるのでしょうか。

投資減税には、投資金額のうち一定額を税額から控除する「投資税額控除」。そして、設備導入の初年度に一定率の特別償却を認め、あるいは毎年の償却率を高めることにより、減価償却のスピードを速める「加速度償却」の2種類の方法がある。

http://www.isfj.net/ronbun_backup/2012/o01.pdf

投資税額控除と加速度償却という方法があるようです。
投資税額控除についてはイメージできると思いますが、加速度償却については理解が難しいです。

簡潔に説明します。

例えば、10年で減価償却できる設備投資を行ったとします。

加速度償却というのは、本来10年で減価償却していくのを5年で減価償却できるようにする償却期間の短縮や、特別償却として、通常の減価償却に加えて、追加の償却を行うことを指します。

参考URL:http://www.kk-support.com/setsuzei/gs_toku.htm

設備投資をした場合、その費用を費用として損益計算書に全額計上することができません。

設備投資金額のある一定割合だけ、費用として計上することになります。

それが通常10年だったら、5年に短縮することにより、短期間で費用として計上することになり、実質的に法人税を低く抑えることができるのです。
実質的な節税になると言い換えてもよいかと。

ただ、ここで難しいのは、どのような税制にするかで、設備投資減税の性質が変わってしまいますし、設備投資減税の対象条件を厳格化してしまうと、使いにくい制度になってしまうのです。

結局、どのような設備投資減税を実施するべきなのでしょうか。

主な目的として、中小企業の効率的な生産活動を包括的に応援するための暫定的税制改革となります。

中小企業の定義は中小企業庁で示されているものを使ってお話を進めていきたいと思います。
参照URL:http://www.chusho.meti.go.jp/faq/faq/faq01_teigi.htm

◆◆◆包括的中小企業設備投資促進税制◆◆◆

対象:日本国内の中小企業

複数年度予算額=1兆円

税額控除額=(取得金額 - 適用事業年度の減価償却費)× 10%

特別償却限度額=取得金額から普通償却限度額を控除した金額

適用期間:3年

内容:本制度の対象企業は有形資産または無形資産の取得金額に応じて、 税額控除もしくは特別償却を行うことが可能。

以下、対象条件

1、国内設備投資を実施する場合でかつ、国内企業から新規調達する場合において本制度の対象とする。

設備投資減税の恩恵を国内企業に限定することで、海外の企業に恩恵を与えることを抑制することが目的。

2、国内設備投資の年間総投資額が適用事業年度の減価償却費を超えている場合に本制度の対象とする。

2に関しては、生産設備等の原状回復だけでは減税対象としないということです。

例えば、おにぎり生産企業がおにぎり製造のための生産設備を持っているとします。

しかし、生産設備ですから、生産すればするほど老朽化します。
5000個を生産できるのに、老朽化で4000個しか生産できないという状況になります。

おにぎり生産企業は量産機械企業に対して、生産設備の修理や入れ替えを依頼するのですが、それは生産能力の維持であって、増強ではないのです。
これでは設備投資を促進する目的には合致しません。

3、国内設備投資の年間総投資額が前事業年度と比較して20%以上増加している場合に本制度の対象とする。

3に関しては、明確に減税措置を受けるという目的をもった国内企業が新規設備投資を増やした場合にのみ減税対象とするため、このような条件を設けました。

たまたま、企業の設備投資計画上、設備投資を増やしたという場合には減税の恩恵が得られないような設計です。

特記事項

※全ての国内設備投資を減税対象とする。生産設備のみなどと限定しない
※この制度による特別償却と税額控除との重複適用は認めない

※税額控除限度額は設けない

※税額控除額がその事業年度の法人税額を超えるために、その事業年度において税額控除額の全部を控除しきれなかった場合には、その控除しきれなかった金額について、1年間の繰越しが認められるものとする

以上です。

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