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地政学 資源安全保障

【地政学】パイプラインを巡る米・欧・露の戦いは決着するのか不明だ

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kscz58ynkさんによる写真ACからの写真

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uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年6月28日(令和2年6月28日)

ロシアから天然ガスを輸入したいドイツ

米国上院議員団は6月4日、ロシアが建設を進める天然ガスパイプライン「ノードストリーム2」(注1、NS2)と「トルコストリーム」(注2、TS)への追加制裁法案を起草した。
NS2の完成阻止を目的としたもので、これまで海洋でのパイプライン建設を行う船舶やその販売・リースを行う事業者に限定されていた制裁対象範囲を保険や技術サービス、操業に必要な検査・認証サービスを提供する事業者にも拡大する内容だ。

(中略)
本法案に対しドイツの政治家やビジネス関係者は猛反発している。
ドイツ連邦議会経済・エネルギー委員会のクラウス・エルンスト委員長は「米国による域外での制裁導入は友好的な行為ではない上にドイツとEUの主権を侵害するもの」との批判(ロシア高級紙「イズベスチヤ」6月9日)。
ドイツ東方ビジネス協会のオリバー・ヘルメス理事長は「EU法への脅威でありドイツと欧州の企業数十社が制裁対象となる恐れがある。
欧州のエネルギー問題は米国ではなく欧州の法律に基づいて解決すべきだ」と述べた(ロシア官報「ロシア新聞」6月6日)。

引用元:米国議員団が天然ガスパイプライン「ノードストリーム2」と「トルコストリーム」への追加制裁法案を起草

アメリカとドイツ(欧州)とロシアのパイプラインを巡る政治的な闘争は激しさを増しています。

ロシアは自国の天然ガスをドイツに売りたいし、ドイツはロシアから安価かつ大量に天然ガスを輸入したいという思惑から、ドイツとロシアの間にパイプラインを敷設して、ビジネスパートナーになろうとしています。

ただ、欧州を自国の勢力圏として認識しているアメリカ側からすれば、面白くないですし、国家安全保障を脅かされる行為と認識しているようです。
同盟国が仮想敵国との経済依存関係が深化してしまいますので。

したがって、アメリカの上院議員はパイプラインの敷設に関して請け負っている企業に対する経済制裁法案を起草したようです。

ドイツからすると、自国の主権侵害(自国が決定した天然ガス輸入を邪魔するから)行為として認識してしまい、反発を強めているようです。

ロシアからすると、自国の覇権を維持するために、ロシアにとっての生命線である天然ガス外交への妨害行為として認識していることでしょう。

天然ガス輸出が一気に縮小してしまった

ロシアの天然ガス輸出が急減している。
1~3月の国営ガスプロムの輸出額は前年同期から半減した。
新型コロナウイルスや暖冬の影響で数量も単価も落ち込んだためだ。
さらに同社が建設中のガスパイプラインを標的にした追加制裁法案が米国で提出され、今後の供給回復の重荷になりかねないとの見方も広がる。
(中略)
ガスプロムはロシア最大級の企業で、同社と石油各社が納める税額は連邦予算の約4割を占める。
石油各社に続くガスプロムの業績悪化は、早期の回復を目指すロシア経済に重荷となる。

引用元:ロシア、ガス輸出半減 暖冬・コロナで欧州需要減

ロシアの天然ガス輸出が急減していおり、新型コロナウイルスの影響で資源需要が急減したことが原因のようです。

ロシアの国営企業のガスプロムの経営に打撃です。
ロシア経済全体の浮揚にとっても重しになっております。

こういった状況で、ロシアの対ドイツ天然ガス輸出を邪魔する国家が存在するわけですから、対米関係の悪化は避けられないでしょう。

ロシアの天然ガスを日本が買い叩け

三井物産は5日、ロシアのガス大手ノバテクが北極圏で計画する液化天然ガス(LNG)生産事業の開発で最終合意したと発表した。
総開発費は213億ドル(約2兆2700億円)で、三井物産など日本勢は10%出資する。プロジェクトへの参画を検討してきた三菱商事は見送った。

引用元:三井物産、ロシアLNG開発に最終合意

我が国日本はロシアとの間で液化天然ガス(LNG)の生産事業で最終合意しております。
ドイツへの天然ガス輸出が難しくなれば、日本の立場は強化されます。

日本の立場が強くなれば、ロシアから液化天然ガスを大量かつ安価に手に入れることができます。

液化天然ガスの輸入増が最適解

上記のように、我が国日本がロシアからパイプラインで天然ガスを輸入しようとすると、アメリカとの関係悪化を招くことでしょう。

ただ、我が国日本の資源安全保障を考えると、天然ガスなどの資源を中東や特定の国家に依存するのは得策ではありません。

したがって、ロシアから原油や液化天然ガス(LNG)をパイプラインを用いずに輸入していき、できるだけその割合を増やすのが最適な資源輸入だと考えます。

アメリカ側には中東依存からの脱却のため、ロシアからの輸入を増やすだけだと主張し、今までの輸入量の二倍までを限度として、資源をロシア依存にするということは厳に慎まなければなりません。

以上です。

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