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フィリピンとアメリカの訪問軍地位協定の破棄が保留となり関係が維持

投稿日:

フィリピン

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年6月3日(令和2年6月3日)

フィリピンは訪問軍地位協定の破棄を保留

フィリピンのロクシン外相は2日、米国に通告した「訪問軍地位協定(VFA)」の破棄を保留すると明らかにした。
既に米側に伝えたという。
VFAは両国間の軍事同盟に実効性を持たせる重要な協定で、破棄通告から半年後の8月に失効する予定だった。
同盟関係が決裂する事態は失効2カ月前に当面回避される見通しとなった。
ロクシン氏がツイッターに在フィリピン米大使館に送った1日付の外交文書を投稿し、明らかにした。
文書では「地域の政治情勢やその他の動きに照らし、VFAの破棄通告を保留する」と記した。
保留する期間は6カ月とし、延長が可能だとしている。
同氏は投稿で破棄通告の保留は「大統領の指示に基づく」と述べた。

引用元:フィリピン、米軍地位協定破棄を保留 同盟決裂を回避

拙ブログをご覧の皆様であればご存知かと思いますが、拙ブログにおいて、フィリピンとアメリカの関係が希薄化する可能性があると警鐘を鳴らしていた件でございます。

訪問軍地位協定が破棄される予定でしたが、破棄が保留されることになりました。

簡潔に言えば、フィリピンとアメリカ合衆国の同盟関係が希薄化することはもはや止めようも無く、規定路線かと存じます。
※戦争やよほどの有事があったら話は別ですが。
であるならば、日本がフィリピンとの協力関係を強化することで、フィリピンの軍事的な弱体化を食い止めるべきかと存じます。

引用元:アメリカとフィリピンの訪問米軍地位協定が破棄。中国が大喜びだろう

今年の2月中旬時点において、上記のような認識を私は示しておりました。

新型コロナウイルスの感染拡大により中国を利するようなことは止めた方がいいという判断になったのかもしれません。

以下は復習の意味も込めて、再度、今回の件の顛末を記載します。

フィリピンが訪問米軍に関する地位協定の破棄を通告していた

フィリピン政府は11日、「訪問米軍に関する地位協定」(VFA)を破棄すると、米政府に通知したと発表した。
ドゥテルテ大統領の側近について、米国が入国ビザの発給を拒否したことなどから、対抗措置として破棄を検討していた。
両国関係の冷え込みは必至で、中国が影響力を増す南シナ海情勢に影響を与える可能性もある。

引用元: フィリピン、米軍地位協定を破棄 関係冷え込みは必至

2020年2月11日、フィリピン政府は訪問米軍に関する地位協定を破棄するとアメリカ側に通知しました。

アメリカ合衆国の対中シフトが鮮明になっているのに、フィリピンとの同盟関係が希薄化するとなると一大事なので、私のような反中派は慌てておりました。

VFAは、フィリピン国内で合同軍事演習などを行う際の米兵の法的地位を担保する内容で、1998年に結ばれた。
フィリピンと米国の間には、ほかにも相互防衛条約や防衛協力強化協定があるため、破棄によって軍事協力がなくなるわけではないが、合同演習や地域を巡回する米軍の活動に支障が出る。
クーパー米国務次官補(政治軍事担当)はフィリピンメディアに「演習など計300の活動」が止まる可能性があると語った。
フィリピン政府によると、協定は通知から180日後に失効する。

引用元: フィリピン、米軍地位協定を破棄 関係冷え込みは必至

フィリピン国内で合同軍事演習などをするときのアメリカ兵の法的地位を担保するための協定であり、簡単に言えば、現地の法律を把握していないアメリカ兵がうっかり犯罪行為をしてしまったときに、アメリカ兵の身柄を守る協定です。

仮に破棄ということになれば、共に中国に対抗するべき国家同士がいがみ合うという結果になってしまい、中国の国益になるということになりそうでした。

一部報道によると、フィリピン軍からVFA(訪問米軍に関する地位協定)を支持する旨の声明があり、フィリピン政府内部からも支持する声もあったようです。

※参考記事:フィリピンのドゥテルテ、米軍地位協定の破棄発表 同盟関係にひび

日本とフィリピンが相互訪問軍協定を締結するべきだ

フィリピンは国内において、軍事基地の提供を禁止しているため、豪比相互訪問軍隊地位協定のような協定を結ぶことで同盟関係を構築してきたようです。

簡単に言えば、安全保障上の関係強化を図るために、正式に国家間で協定を結ぶべきという考えがあり、それが具現化されたもののようです。

安全保障上の関係強化に伴う摩擦を最小限に食い止めようという強い決意の下、外国の基地に頼らず、外国との連携を強化するという覚悟が感じられます。

我が国日本が仮にフィリピンとの同盟関係まで踏み込むとなると、何らかの協定を結ぶ必要がございます。

何の協定も結ばず日本とフィリピンの連携を強化し、日本の自衛隊を受け入れるのは困難です。
フィリピンの国内事情などにも配慮は必要でしょう。

上記に挙げた規定以外にも、豪比相互訪問軍隊地位協定は秘密情報の保全規定、環境保護規定などが定められております。

率直な感想は「フィリピンはすげーな!!!」というものでした。

オーストラリア相手にここまで平等で対等な協定を締結できるというのは素晴らしい外交手腕です。

私も、翻訳された豪比相互訪問軍隊地位協定(正式には オーストラリア政府とフィリピン共和国政府との間の各々の領域を相互に訪問する軍隊の地位に関する協定(豪比相互訪問軍隊地位協定) 

Agreement between the Government of Australia and the Government of the Republic ofthe Philippines concerning the Status of Visiting Forces of Each State in the Territory ofthe Other State

の全文を読破しましたが、特に問題になりそうな条文はありませんでした。

もし、我が国日本とフィリピンが相互訪問軍地位協定を結ぼうとなったら、豪比相互訪問軍隊地位協定を議論の出発点として、日本とフィリピンの国情に合わせた改訂がなされるのではないかと推察します。

しっかりと考え抜かれているので、オーストラリアを日本に変換するだけでもいいと思います。

あえて難点を挙げるとすれば、議会の承認が必要なので、議論が始まってから発効するまで時間がかかるということです。

2007 年5 月31 日 キャンベラにて署名されてから、2012 年9 月28 日 発効となりました。約5年という時間が経過しております。

これは有事に間に合わないのではと思うのです。

もちろん、議会の承認が必要な国家間協定ですから、仕方ないことですが、何とか時間を短縮する手段を考えるべきではないかと。

以上です。

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