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アメリカとフィリピンの訪問米軍地位協定が破棄。中国が大喜びだろう

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はむぱんさんによる写真ACからの写真

大変お世話になっております。
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uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年2月14日(令和2年2月14日)

フィリピンが訪問米軍に関する地位協定を破棄?

フィリピン政府は11日、「訪問米軍に関する地位協定」(VFA)を破棄すると、米政府に通知したと発表した。
ドゥテルテ大統領の側近について、米国が入国ビザの発給を拒否したことなどから、対抗措置として破棄を検討していた。
両国関係の冷え込みは必至で、中国が影響力を増す南シナ海情勢に影響を与える可能性もある。

引用元: フィリピン、米軍地位協定を破棄 関係冷え込みは必至

フィリピン政府は訪問米軍に関する地位協定を破棄するとアメリカ側に通知しました。

アメリカ合衆国の対中シフトが鮮明になっているのに、フィリピンとの同盟関係が希薄化するとなると一大事です。

VFAは、フィリピン国内で合同軍事演習などを行う際の米兵の法的地位を担保する内容で、1998年に結ばれた。
フィリピンと米国の間には、ほかにも相互防衛条約や防衛協力強化協定があるため、破棄によって軍事協力がなくなるわけではないが、合同演習や地域を巡回する米軍の活動に支障が出る。
クーパー米国務次官補(政治軍事担当)はフィリピンメディアに「演習など計300の活動」が止まる可能性があると語った。
フィリピン政府によると、協定は通知から180日後に失効する。

引用元: フィリピン、米軍地位協定を破棄 関係冷え込みは必至

フィリピン国内で合同軍事演習などをするときのアメリカ兵の法的地位を担保するための協定であり、簡単に言えば、現地の法律を把握していないアメリカ兵がうっかり犯罪行為をしてしまったときに、アメリカ兵の身柄を守る協定です。

共に中国に対抗するべき国家同士がいがみ合うという結果になってしまい、中国の国益になるということになりそうです。

一部報道によると、フィリピン軍からVFA(訪問米軍に関する地位協定)を支持する旨の声明があり、フィリピン政府内部からも支持する声もあるそうです。

※参考記事:フィリピンのドゥテルテ、米軍地位協定の破棄発表 同盟関係にひび

日本がフィリピンとの関係を強化するためには

簡潔に言えば、フィリピンとアメリカ合衆国の同盟関係が希薄化することはもはや止めようも無く、規定路線かと存じます。

※戦争やよほどの有事があったら話は別ですが。

であるならば、日本がフィリピンとの協力関係を強化することで、フィリピンの軍事的な弱体化を食い止めるべきかと存じます。

本日はそのヒントになるかもしれない協定をご紹介します。

豪比相互訪問軍隊地位協定とは

オーストラリアとフィリピンにおいて、豪比相互訪問軍隊地位協定というものが存在します。

PDFの資料を見つけました。豪比相互訪問軍隊地位協定の文字をクリックして下さい。

簡単に概要を列挙します。

以下はuematu tubasaによって重要と判定された部分を抜粋したもの

豪比地位協定は、両国の軍隊がそれぞれ相手国を共同訓練等の目的で訪問した際、訪問先の国内における当該軍隊(とその構成員)の法的地位を包括的に定める協定である。

従来、オーストラリアとフィリピンとの防衛協力関係は、1995 年8 月22 日の調印と同時に発効したフィリピン共和国政府と

オーストラリア政府との間の協力的防衛活動についての了解覚書⑹(以下、「豪比防衛協力覚書」という。)に基づいて行われてきた。

しかし、豪比防衛協力覚書は、受入国における軍隊の地位に関する条項を有していないことから、両国間の防衛協力に関する政治的かつ精神的な拘束枠組みであっても、国際法的に両国を拘束するものではなかった⑺。

したがって、先に述べた米国主導の対テロ戦争に互いに米国の同盟国として積極的に加わる中で、対テロ戦訓練や海上保安活動などの分野で急速にその防衛協力関係を緊密化させてきたオーストラリアとフィリピン両国が、

共同演習などでさらに防衛協力関係を深化・拡大させようとする場合に、受入国における軍隊(とその構成員)の地位に関する包括的な法的枠組みとして豪比地位協定を締結することは、

オーストラリア自体にとっても必要不可欠で重要なことであると認識された⑻。

レガルダ委員長の挙げた刑事裁判権関連規定の5 点の長所とは、具体的には、
①受入国で発生した受入国の法で罰することのできる犯罪は、受入国の当局が処罰できる点、

②裁判権が競合する場合でも、派遣国が第一次的裁判権を行使できるのは、派遣国自体の財産や安全保障に対する犯罪又は公務遂行中の犯罪に限られる点、

③裁判権に関して両国間で争いがある場合、両国代表者から成る合同委員会における解決をめざすが、交渉により解決に至らないときは、受入国の司法当局に案件を送付できる点、

④フィリピンで罪を犯した刑事被告人に免責を与えるいかなる規定も豪比地位協定には存在しない点、

⑤フィリピンで罪を犯した訪問軍隊構成員は、豪比地位協定に基づく裁判を逃れることはできない点、である 。

協定の狭義の目的は、訪問軍隊と受入国政府との間における以下の事柄に関する法的枠組み、権利、責任及び手続を定めることにある。

すなわち、訪問軍隊構成員による刑事犯罪行為の際に惹起される事柄、制服を着用する条件、税及び関税の免除、環境保護の要件、入出国手続及び法的責任問題などについて定めることを目的とする。

協定は、一方の当事国の軍隊が他方の当事国内にある間、両当事国の軍隊に対して同じ権利を付与するものである 。

協定に関する限り、オーストラリアとフィリピンは同等の権利を有する わけで、米比間の訪問米軍地位協定が、フィリピン国内にある訪問米軍の地位を定めるのみで、かつ、

刑事裁判権などに関して派遣国(米国)側に有利な規定となっているのと対照的である。

協定の広義の目的は、両国の協力関係強化により、両国共通の安全保障上の利益を増進することにある(協定前文)。

協定によって、両国間の共同の訓練、演習その他の両当事国が相互に承認した活動(以下、「共同訓練等」という。)を円滑に行うことが可能となり、

両国の防衛協力関係が強化されて、結果的に、共通の安全保障上の利益を増進させることにつなげることが、協定の広義の目的だということができる。

以上、抜粋

フィリピンは国内において、軍事基地の提供を禁止しているため、こういった訪問軍協定というのが必要であるようです。

簡単に言えば、安全保障上の関係強化を図るために、正式に国家間で協定を結ぶべきという考えがあり、それが具現化されたものです。

安全保障上の関係強化に伴う摩擦を最小限に食い止めようという強い決意を感じます。

確かに、こういった取り決めもせず日本の自衛隊を受け入れるのは困難でしょうね。
フィリピンの国内事情などにも配慮は必要でしょう。

上記に挙げた規定以外にも、秘密情報の保全規定、環境保護規定などが定められております。

率直な感想は「フィリピンはすげーな!!!」というものでした。

オーストラリア相手にここまで平等で対等な協定を締結できるというのは素晴らしい外交手腕です。

私も、翻訳された豪比相互訪問軍隊地位協定(正式には オーストラリア政府とフィリピン共和国政府との間の各々の領域を相互に訪問する軍隊の地位に関する協定(豪比相互訪問軍隊地位協定) 

Agreement between the Government of Australia and the Government of the Republic ofthe Philippines concerning the Status of Visiting Forces of Each State in the Territory ofthe Other State

の全文を読破しましたが、特に問題になりそうな条文はありませんでした。

もし、我が国日本とフィリピンが相互訪問軍地位協定を結ぼうとなったら、豪比相互訪問軍隊地位協定を議論の出発点として、日本とフィリピンの国情に合わせた改訂がなされるのではないかと推察します。

しっかりと考え抜かれているので、オーストラリアを日本に変換するだけでもいいと思います。

あえて難点を挙げるとすれば、議会の承認が必要なので、議論が始まってから発効するまで時間がかかるということです。

2007 年5 月31 日 キャンベラにて署名されてから、2012 年9 月28 日 発効となりました。約5年という時間が経過しております。

これは有事に間に合わないのではと思うのです。

もちろん、議会の承認が必要な国家間協定ですから、仕方ないことですが、何とか時間を短縮する手段を考えるべきではないかと。

最悪、日本とフィリピンの協定発効の前に中国が本格的な軍事行動を採るということも十分考えられます。

というか中国としては日本とフィリピンの準同盟は邪魔でしかないはずですから、即断即決してくる可能性が高いです。

以上です。

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