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世界経済

カリフォルニア州ストックトン市でベーシックインカム実験の結果発表

投稿日:

ベーシックインカム

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年1月17日(令和2年1月17日)

本日は進撃の庶民にて掲載した記事の再掲載でございます。

カリフォルニア州ストックトン市は、ユニバーサルベーシックインカム実験を敢行しました

2019年2月、ストックトン市は平均程度(年収約4万6000ドル=約500万円)かそれ以下の収入で暮らす125人の住民を対象に月額500ドル(約5万5000円)の給付を開始した。
これはベーシックインカムの導入実験で、基本的に無条件で給付される。

ストックトン市は10月に初めて、プログラムの進捗についてまとまったデータを公表した
この中間集計で、多くの被験者が給付金を日用品や生活費の支払いに使用したことが明らかになった。

引用元:29歳の市長が推進するベーシックインカム実証実験…「国レベルの格差対策にもなる」

昨年2月からカルフォルニア州ストックトン市において、ユニバーサル・ベーシックインカムの実験が行われました。

その結果、多くの被験者が給付金を日用品や生活費の支払いに使用したことが明らかとなりました。

上記の引用元の記事によると、給付金の大部分(約40%)で食料品と水を購入し、24%をスーパーマーケットや

1ドルストア(アメリカの100円ショップ???)での買い物に使用し、残りは公共料金の支払いとガソリンや車の修理に使用したとのことです。

給付金の支給方法は、デビットカードでの支給となり、そこから支出を特定できます。

また、給付金の40%は現金として引き出されており、被験者へのアンケート調査で、給付金をどのように支出したか聞き出しました。

※参考記事:カリフォルニア市は、ユニバーサルベーシックインカムをテストしました。受信者が500ドルを無料で使った方法は次のとおりです。

ユニバーサル・ベーシックインカムの影響で幸福度が増す

他の被験者についても同様のことが言え、この余分な5万4000円によって人々が得た最も価値のあるものは「時間」であることがわかりました。
親となる時間、休む時間、コミュニティの一員になる時間などさまざまですが、ある人は副業として行っていたLyftのドライバー業をやめ、ある人は家族と過ごすために賃貸アパートの頭金を払うことができました。
余分なお金があることで、引っ越しして通勤時間を削減したり、残業時間を減らしたりして、「時間」を買うことができます。シーラという女性は支給を受けたことでストレスが減り、「夜によく眠れるようになった」と語っています。

引用元: 毎月5万4000円を市民に配り続けた結果何が起こったのか?という記録

ユニバーサル・ベーシックインカムによって、人々が得たものは「怠惰」ではなく「時間」でした。

家族との時間を増やし、休む時間を増やし、地域共同体としての活動を増やし、引っ越しして通勤時間を削減し、残業時間を減らすことが可能となりました。

人生にとってより良い時間を増やし、人生にとって苦痛な時間を減らすことができたことにより、人生の幸福度が上昇したことは確実です。
ストレスが無くなれば、人間は良く眠れるようです。

ユニバーサル・ベーシックインカムでキャリアアップ?

「政府が現金を支給すると人々は働かなくなる」という意見はこれまでも見られるところでしたが、SEEDプロジェクトによって示された結果はこれとは真逆のものでした。
例えば、被験者の一人であるトーマスという人物は金銭的な余裕ができたことで次のキャリアについて考える余裕ができ、子どもと過ごす時間を増やしながら、より支払いのいい仕事について調査し、準備し、申し込むことができたとのこと。
現金支給を受けたことで「時間」が生まれ、初めて次のステップに進む余裕が生まれたわけです。

引用元: 毎月5万4000円を市民に配り続けた結果何が起こったのか?という記録

アメリカ人の中にも、私と同じように考えた方がいらっしゃたようです(*‘ω‘ *)
ユニバーサル・ベーシックインカムによって、金銭的余裕が出来たので、

転職準備や業界動向調査に充てる時間が増え、キャリアアップへ進む余裕が生まれました。

ユニバーサル・ベーシックインカムによって、働かない人が増えるというのは少なくとも上記の実験においては発生していないようです。

ただ、上記のユニバーサル・ベーシックインカムの実験結果に関しては、所得制限を設け、期限付きの給付金支給にしたことが大きいのではないかと推察します。

永久に支給されるわけではないから、いただいた給付金を有効活用するインセンティブが働いたのではないかと推察します。

そして、給付金支給額があまりにも大きい金額ではなかったのが幸いしたのではないかと。

現代貨幣理論では、貨幣とは負債です。だからこそ配れる!

さて、現代貨幣理論の電子書籍『現代貨幣理論の基礎』を出版した人間として、貨幣とは何かと申し上げれば、貨幣とは負債です。

今日、貨幣とは負債の一形式であり、経済において交換手段として受け入れられた特殊な負債である

参考記事:イングランド銀行の季刊誌『現代経済における貨幣創造』より

イングランド銀行においては、このように貨幣とは何かを説明しており、貨幣負債論(信用貨幣論)を展開しています。
貨幣とは、利払いや返済義務が生じない特殊な形式の債務であるというのがその主張です。

私はイングランド銀行と同様に、貨幣とは負債であると考えています。
ということは貨幣を配る際に、物質的な縛りはないということになります。

簡潔に言えば、貨幣が商品や金属の代替物と考えるならば(商品貨幣論)商品や金属は有限であり、いつかは底をつくことになりますが、貨幣を負債と考えるならば、少なくとも物質的な制約があるわけではありません。

例えば、金で考えてみると、地球上に存在する金は確実に有限ですが、負債ならば、お金の貸借関係でいくらでも増やすことが理論上可能です。

私は貨幣負債論を理解しているが故に、ユニバーサル・ベーシックインカムを主張しているのです。
物質的な縛りが無いならば、インフレ率に気を付ければ問題はないと思います。

生活保護の条件緩和で対応できるのか?

筆者は就職氷河期世代や低所得層向けの社会保障に、生活保護の条件緩和で対応するべきではないだろうか? と考えています。
しかしベーシックインカムの議論自体は、否定するつもりはありません。

引用元:就職氷河期世代のNO生活保護!YESベーシックインカム!の不思議

ヤン様(高橋様)は、以前の記事でこのように主張していらっしゃいます。
生活保護制度において、どの条件をどのように緩和すればいいのか明確には提示されていないようにお見受けします。

どの条件をどのように緩和することで、どれほどの効果があり、ユニバーサル・ベーシックインカムの代替案として有望であると主張していただきたかったというのが本音です。

再掲:生活保護の欠点とは

さらに、生活保護について考慮するならば、捕捉率の問題がございます。
捕捉率とは、言い換えるならば利用率のことです。

生活保護を受給できる経済環境(低所得)で、生活保護を利用している世帯割合が少々古いデータですが公表されています。

結論から言えば、平成19年国民生活基礎調査の結果から算出すると、 所得のみで算出した場合は15.3%となり、資産も考慮して判定した場合32.1%となります。

研究者が独自算出した場合においても、生活保護の捕捉率は10%から20%程度なのだそうです。
※参考記事:貧困と生活保護(49) 生活保護の大問題は、低すぎる捕捉率

率直に申し上げれば、あまりにも低いのではないでしょうか。
生活保護を受給することができる低所得者世帯の8割程度が生活保護を受給していないのです。

一つは資産要件の運用の厳しさです。
現金・預貯金が保護基準の1か月分より多いと申請しても通りません。
クルマの保有は求職・通勤・通院などの事情がないと認められず、車がないと日常生活が不便な地域では大きなネックになります。
福祉事務所の対応も問題です。
利用できないと思わせる説明を職員がすることや、冷たい態度を取ることがあります。
生活保護の利用には、原則として本人の申請が必要です。
けれども政府・自治体の広報は不十分で、制度の正しい知識・理解が伝わっていません。
それどころか、恥の意識が社会に広く存在しています。
申請後、親族に対して、申請者を援助する意思があるかどうかを問い合わせるのも、利用しにくくする壁になっています。

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170630-OYTET50005/2/

少々長くなりましたが、生活保護の捕捉率がなぜ低いのかを説明している箇所を一部引用させていただきました。

生活保護を受給しない(または要件が厳しくて受給できない)という方を救うためにも、セーフティネットの穴を塞ぐためにもベーシックインカムは必要であるという考えも成り立つのではないでしょうか。

少なくとも、生活保護を受給することによるスティグマ(恥辱感)を可能な限り減らし、捕捉率を大幅に上昇させ、格差是正に貢献し、

労働力減少(ある意味ユニバーサル・ベーシックインカムよりも減少幅は大きいでしょう)への対策を加味した条件緩和をご提示いただきたいです。

総括:社会保障の穴を埋めるためにユニバーサル・ベーシックインカムが必要である

いろいろ議論はあるかと思います。

現実的には、所得制限を設け(高額所得者への支給は止める)地域振興券という形式での給付(地方にお金を落とすため)という条件で、低額からの支給が妥当かと思います。

消費税廃止や国土強靭化のための財政出動に大賛成ですが、どう考えても弱者切り捨てという批判は出てくるため、社会保障の充実は欠かせず、

網羅的かつ恥辱感を与えない形式となれば、ユニバーサル・ベーシックインカムが一番効率的かと思います。

以上です。

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