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トルコがシリアに侵攻した!トランプ大統領はクルド人を見捨てたのか

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akizouさんによる写真ACからの写真

大変お世話になっております。
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uematu tubasaです。
初回投稿日時:2019年10月10日(令和元年10月10日)

トルコがシリアに侵攻した

トルコは9日、シリア北東部のクルド人民兵組織に対する軍事作戦を開始した。
アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は、この作戦を「承認」していないと述べるとともに、軍事行動の引き金になると批判を受けている、同地域からの米軍撤退を擁護した。

https://www.bbc.com/japanese/49995744

トルコはシリア北東部のクルド人私設武装組織に対する軍事作戦を開始しました。

シリアとの国境を越えた、越境作戦になります。

トルコのレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領は、軍事作戦の目的は、国境地域に「テロの回廊が構築されることを防ぐ」ためだとしている。
トルコ軍は国境地域に「安全地帯」を確保したい考え。この安全地帯からYPGの戦闘員を完全に排除し、シリア内戦などでトルコ領内に避難してきたシリア難民360万人のうち、最大200万人をこの安全地帯に移住させたいとしている。
一方のクルド人部隊は、トルコの攻撃に対抗する構え。

https://www.bbc.com/japanese/49995744

トルコはクルド人の武装組織による攻撃を怖れ、地政学的な意味での「緩衝地帯」を自らの軍事力を以て作りたいという考えのようです。

さらに、自国内に存在するシリア難民を抱えきれないため、シリア国内に帰ってもらいたいのですが、そのための生活空間を確保するという目的もあるようです。

トルコとシリアは国境を接しており、トルコ側からすると南部から、シリア難民が押し寄せ、クルド人武装組織からの攻撃に晒されているため、自衛行動したという理屈のようです。

クルド人武装勢力は自称イスラム国包囲網の一翼だった

トルコ軍が今回の越境攻撃に踏み切った背景には、トランプ氏が7日にシリア駐留米軍の撤退方針を表明した影響が大きいとみられる。
トルコ側は攻撃への「青信号」と受け取った可能性がある。
シリア駐留米軍とYPGは、シリアでの過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦で共闘してきた。
米軍が撤退すれば、YPGは軍事的な後ろ盾を失うことになる。

https://www.asahi.com/articles/ASMBB127JMB9UHBI024.html

上記において、YPGという単語が出てきました。
YGPとはクルド人民防衛隊の略称です。

簡単に言うと、反アメリカ合衆国の急先鋒で、危ない勢力の筆頭だったのが、自称イスラム国(ISIL)であり、それらを掃討するため、シリア国内の少数民族であるクルド人の武装組織に協力を要請したのです。

ただ、問題がございまして、アメリカと同盟関係にあるトルコと、自称イスラム国を倒すために共闘しているクルド人武装組織は不倶戴天の敵同士だったのです。

ただ、シリアの情勢安定のために派遣していたアメリカ軍が抑止力となって、かろうじて大規模な武力衝突にはならなかったということです。

しかしながら、トランプ大統領は自国の軍事的負担を軽減するという目的のため、シリアから撤退を表明し、トルコとしては足枷が外されたような状況でした。

仮にも米国とは同盟国ですから、同じく米国と共闘しているクルド人武装組織と正面切って戦うということはできなかったのです。

アメリカ国内の共和党からも、トルコとクルド人武装組織との間で武力衝突が起こる可能性があるということで、シリアからの米軍撤退には反対の声が存在していたそうです。

トランプ大統領に近い共和党の重鎮リンゼー・グラム上院議員は、クルド人勢力を支援しないことは「大統領の任期中最大の過ち」と非難した。
同党のリズ・チェイニー下院議員も「米国は同盟を結んでいたクルド人勢力を見捨てた」と批判。
トランプ大統領の決定が「米国の敵国ロシア、イラン、トルコを支援し、IS復活の下地を整えることになる」と述べた。

https://jp.reuters.com/article/syria-security-turkey-erdogan-idJPKBN1WO1RJ

中東の地政学的なリスクや、その歴史的背景、最近の情勢をしっかりと理解していて、中東地域の安定化を志向していたならば、防げた事態と言えます。

必要最小限度の米軍をシリアに駐屯させ続ければいいだけです。
それをせず、口先だけはトルコを非難するようなことを言ってます。

トランプ米大統領は9日の声明で、トルコがシリア北東部でクルド人勢力に対する軍事作戦を開始したことについて「支持しない」との立場を示した。
一方で攻撃停止を明確に求めず、報復措置にも触れなかった。
戦闘地域での民間人保護や拘束中の過激派組織「イスラム国」(IS)の扱いについてトルコが責任を負うと指摘し、米国は関与しない方針を強調した。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50822330Q9A011C1000000/

アメリカは自国のために味方を見捨てる

トランプ大統領は、中東という地政学的に重要な地域の安定化を捨てました。
自国の若者が海外で死ぬことに耐えられず、軍事費の節約にもなるからです。

まさに、地域の安定化と自国の国益という二者択一で、自国の国益を選択した結果と言えます。

我が国日本もアメリカ合衆国と安全保障条約と諸協定を結んでいます。
いつ何時見捨てられるとも限らないのです。

アメリカ合衆国に頼らない自主防衛体制を早急に構築しないと、自国の安全保障が危うくなりつつ、アメリカ合衆国に足元見られて、国民経済の構造改革を迫られてしまうでしょう。

具体的に自主防衛体制とはどうすればいいのかという点を詳細に説明したと思いますが、それは後日にさせてください。

最後にトルコリラは暴落せず

本日の22時時点でのニュースではございますが、トルコリラ円は下落しましたが、いわゆる暴落と呼ばれるほどの下落は見られませんでした。

一時期、1トルコリラ=16円になることもあり、急落の怖れが常に付き纏うトルコリラですが、急落しませんでした。

市場は、トルコのシリア侵攻を織り込んでいたということなのでしょう。
今後も注視していきたいと思います。

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